米国におけるエネルギー×ブロックチェーン最新動向 | 新社会システム総合研究所 公式ブログ

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米国におけるエネルギー×ブロックチェーン最新動向

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[講 師]

クリーンエネルギー研究所 代表 阪口 幸雄 氏

 

[日 時]

2019年3月20日(水) 午後1時~5時

 

[会 場]

SSK セミナールーム

東京都港区西新橋2-6-2 ザイマックス西新橋ビル4F

 

[重点講義内容]

昨年カリフォルニア州で起こった大規模山火事は、

当該地域の電力会社であるPG&Eの高圧送電線での

スパークが原因であると一般には考えられており、

PG&EはChapter 11(日本の会社更生法に相当)を

申請し経営破綻した。電力やガスの供給は継続しているが、

40~50年前の州経済の発展時に設置され、老朽化した

送電・配電インフラの維持コストを一体誰が負担するのか、

今後とも長距離送電網が必要かという問いを投げかけている。

米国では、山火事に限らず、東海岸を襲うハリケーンや、

冬季のブリザード時の電力網の分断が大きな問題になっており、

「商業施設のマイクログリッド化」と、「家庭における

エネルギー貯蔵装置の設置」が急速に進展している。

個人の生活・民間企業の活動・自治体を含む公共サービス全体での

「安全・安心の維持」のための電力網の強靭性(レジリエンシー)が

強く望まれるのは米国でも日本でも同じである。

しかし、前記のマイクログリッド化の推進により、より多くの

富裕層や企業が電力網から離脱すると、残ったものが電力網の

インフラ整備のコストを負担しなければいけなくなり、

不平等感が増す。

米国で急激に進む「再生可能エネルギー発電」は

「大規模集中型(電力会社向け)」と「分散型(需要家内設置)」に

大きく分かれ、これらはその性格や利点・欠点が異なり、同一で

論じるわけにはいかないが、これらがごっちゃに語られることが多い。

電力網の強靭性(レジリエンシー)を維持するためにはどちらか

だけではダメで、それぞれの特性をわきまえた「バランス」が大事に

なってくるが、「分散電源管理」は思った以上に難しい。

ガスや水道のような他の社会インフラと違い、電力は基本的に

「貯蔵ができない」という特性があり、「同時同量の維持」が極めて

大事である。すなわち、今までの大規模な「一方向の電力の流れ」

から「フィーダー線に入り込んだ分散電源からの入り乱れた

双方向の電力の流れ」に変わろうとしている。

これらの管理に、今回のテーマである「ブロックチェーン」が

役に立つと考えられているが、「分散電源と双方向の電力の

流れの管理は分散帳簿技術で」というわけである。

ただし、ブロックチェーンはあくまで「分散帳簿技術」であり、

決して夢のツールではないし、それ自体が自己完結的に

「同時同量の維持」を行ってくれるわけではない。何をトークン化

するのかにより、その適性やメリット・デメリットは大きく異なる。

「誰がマイニングするのか」も大きな課題である。よく言われる

「Peer to Peer」は遥か先の目標である。

世の中で言われる「改竄に強い」も「The DOT事件」

「51%攻撃」を例に出すまでもなく、「いたちごっこ状態」である。

これらの「有象無象」をビジネスのタネにすべく、米国では雨後の筍

状態のスタートアップが名乗りを上げる。「エネルギー向けの

ブロックチェーン」を標榜するスタートアップだけでも300社以上

あるというが、2~3年内にほとんどは淘汰されるであろう。

「ブロックチェーン」というとすぐに仮想通貨やその値段の

アップダウンが話題になるが、問題の本質はそこにはない。

また、ブロックチェーンで何を管理するかが極めて重要である。

上記の分散電源そのものなのか、kWhなのか、kWまたは

ΔkWなのか、サービスなのか、調整力なのか、

はたまたその上にある何者なのか。。。

このセミナーでは、上記の再生可能エネルギー増加に伴う問題の

解決策としてここ数年大きな注目を集めている「分散電源管理を

統合するアグリゲーションビジネス」、「デマンドレスポンス」、

「エネルギーのデジタル化」、「コネクテッドデバイスの動向」、

「勘違いされているブロックチェーン」、「ブロックチェーンの

エネルギーマネージメントへの適用」に焦点を当て、実例を交えながら、

細かく解説する。

なお、昨年10月18日に同様の題で講演したが、今回はさらに

パワーアップして、最新内容を交えて、今どうなっており、

今後どうあるべきかをお伝えしたい。

 

 

1.米国におけるエネルギー政策

 (1)再生可能エネルギーの動向

 (2)アンシラリーサービスの動向

 (3)カリフォルニア州とハワイ州の再エネ発電の動向

 (4)バランシングマネージメント

 (5)いろいろなレベルでのエネルギー貯蔵

 (6)カリフォルニア州の電力会社PG&E破綻から何を学ぶか

2.「大規模集中型」と「分散型」の

 再エネ発電とデマンドレスポンス

 (1)そのメリットとデメリットとそのバランスは

 (2)「分散型」は今後どのように進化し、管理すべきか

 (3)マイクログリッドは商業的に立ち上がる

   (2020年はマイクログリッド元年)

 (4)米国におけるデマンドレスポンスの状況

   (PJM、カリフォルニア州、ハワイ州)

 (5)伝統的なデマンドレスポンスと近年注目を集める

    先進デマンドレスポンス

 (6)デマンドレスポンスにブロックチェーンを用いる

    スタートアップ

3.家庭内に入り込むコネクテッドデバイスの状況

 (1)スマートサーモスタットは着実に伸びている

 (2)導入が始まったAIスピーカーは家庭内ハブになるのか

   (エネルギーマネージメントにどう使われるか)

 (3)家庭内のエネルギー消費の約半分熱関連機器を

    どう制御するか

 (4)問題は、サービスビジネスをどう推進するか

   (ハードの商売は厳しい)

 (5)仮想通貨とエネルギーマネージメントは違う

4.ブロックチェーンとは

 (1)そもそもなぜブロックチェーンなのか

 (2)4つの階層に分けて考える

 (3)スマートコントラクトとは(The DOT事件が教えるもの)

 (4)大手企業(IBM、HPなど)が目指すBAAS

   (Block Chain As A Service)とは

5.ブロックチェーンとエネルギー

 (1)エネルギー向けブロックチェーンを目指す数多の会社

 (2)ブロックチェーンのエネルギーマネージメントへの適用

 (3)米国の特徴的なブロックチェーン関連会社(開発系と運用系)

 (4)何をトークン化するのかがキー(kWhを超えて)

6.ブロックチェーンのエネルギーへの適用具体例と今後の動向

 (1)米国における電力会社と

    ブロックチェーンスタートアップとの提携例

 (2)4つのUse Case

 (3)まずはアカウンタント(会計処理)から?

 (4)PG&Eは、まずはSteel Reelの資産管理に使う

 (5)ブロックチェーンをPeer to Peerで使のはまだだいぶ先

 (6)ブロックチェーンの米国における実証実験例

7.まとめ

 (1)電力システムの将来像はどうあるべきか

 (2)日本はこれらの流れから何を学び、

    どうビジネスに結びつけるか

8.質疑応答・名刺交換

 

 

[PROFILE 阪口 幸雄(さかぐち ゆきお)氏]

シリコンバレー在住の著名コンサルタント。

米国のクリーンエネルギーと、日本のビジネスへの影響に

フォーカスしたコンサルタント会社の代表をつとめる。

シリコンバレーを中心に、エネルギー問題の定点観測を長期間行い、

今後の動向と日本企業の対応についてのきわめて明解なビジョンを持つ。

専門分野は、ブロックチェーン、エネルギー貯蔵、発送電分離、

デマンドレスポンス、分散電源管理、太陽光発電、等。日本の

大手エネルギー企業、日本政府機関、大学等のアドバイザーを多数務める。

日立(日本と米国)にて17年間最先端の半導体の開発に携わった後、

そのビジネス経験や物性の知識を活用すべくエネルギー分野に。

シリコンバレーに20年以上在住。

最近はカリフォルニア・ハワイ・日本の3拠点生活を送る。

ホームページ http://click.ssk21.co.jp/c?c=52995&m=6511201&v=cf19a827 

「日経エネルギーNext」に「シリコンバレー発、電力Biz」を連載中

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<クリーンエネルギー研究所発刊 関連レポート>

「米国におけるエネルギービジネスと貯蔵システム」

http://click.ssk21.co.jp/c?c=52997&m=6511201&v=12019ea5