がん対策の最近の動きと地域に広がるがんの先進治療
http://www.ssk21.co.jp/seminar/re_S_13313.html
[講 師]
独立行政法人国立がん研究センター
がん対策情報センター センター長 若尾 文彦 氏
医療法人DIC宇都宮セントラルクリニック 理事 佐藤 俊彦 氏
医療アナリスト 浅野 信久 氏
[日 時]
2013年10月23日(水) 午後1時~5時
[会 場]
SSK セミナールーム
東京都港区西新橋2-6-2 友泉西新橋ビル4F
[開催趣旨]
がんは日本人の死因のトップの座にありつづけ、
今や国民の2人に1人が「がん」に罹るといわれている。
政府は、2007年にがん対策基本法を施行し、
がん治療法の研究やがんの予防・早期発見の推進、がん医療体制の
強化などに着手している。がん研究について、14年度からの
第4次10か年戦略の立案の最中である。今後予定されている
第6次医療法改正に向けては、がん拠点病院との連携を念頭においた
「地域がん診療病院(仮称)」を新たに指定することが論議されている。
かつては国や都道府県レベルの専門医療の範疇にあった
「がん」の治療は、地域医療の範疇での対応が求められる時代へ
向かおうとしている。また、民間医療機関の独自努力により、
地域でもがんの先進治療が受けうる体制が築かれつつある。
その最新動向を紹介する。
[重点講義内容]
<1>がん対策をめぐる最近の動き
-新たながん診療提供体制とがん研究を中心に
若尾 文彦 氏【13:00~14:15】
平成24年6月第2期がん対策推進基本計画が策定され、
がん対策の様々な分野において新たな取り組みが開始された。
がん医療の分野では、地域のがん診療の中核として全国に
397ヵ所指定されているがん診療連携拠点病院に求められる
機能等の見直しが行われ、今後、目指される新たながん診療提供体制が
提示されている。また、がん研究の分野では、平成25年度で
終了する「第3次対がん10か年総合戦略」に代わる新たな
がん研究戦略を見据えた「今後のがん研究のあり方について」が
取りまとめられている。この2分野を中心にがん対策の最近の
動きについて、解説する。
1.これまでのがん対策
2.第2期がん対策推進基本計画と策定後の動き
3.がん診療連携拠点病院の現況と課題
4.がん医療提供体制の見直しについて
5.今後のがん研究のあり方について
<2>地域におけるブレストセンターの役割と実践
佐藤 俊彦 氏【14:20~15:35】
乳がんは、急速に増え続け、日本人女性の15人に1人が
乳がんになる時代を迎えている。国立がんセンターの論文では、
T1乳がんでも、T1a,T1bの乳がん、つまり、1cm以下で
見つけることで、有意に治療成績が向上することが証明されている。
また、1cm以下の乳がんを見つけることにより、RF焼灼治療や
血管内治療、クライオサージェリー、HIFU(超音波収束治療)
などの応用が可能となっている。
また、乳がんの術後フォローアップは、10年生存率で
評価するために、術後の定期検査の効率化も重要な課題となってくる。
乳がんの治療過程における画像診断の役割は、非常に広範囲に及び、
術後のフォローアップでは不可欠の診断法となっている。
地域の画像診断センターの役割として、解説する。
1.1cm以下の乳がんを見つけ、低侵襲治療を実施
2.乳がん術後のフォローアップセンターとしての外来機能の実践
3.乳がんにおける画像診断の役割
4.新しい画像診断モダリテイ
(1)3D-Tomosynthesisとは?
(2)PEM(Positron Emission Tomography)とは?
5.術後フォローアップ戦略
(1)PET/CT+PEMの保険適応
(2)見えないガンを見つけるテロメスキャン:
CTC(Circulating Tumor Cells)の検出
6.地域医療ネットワークの構築とクラウド化
7.当院の連携ネットワーク
<3>がん医療の進歩と健康保険におけるがんの医療費負担のあり方
-現状と将来展望
浅野 信久 氏【15:45~17:00】
がん医療の進歩がめざましい。最近では、特にがんの放射線医療の
発達がめざましい。各地で放射線治療施設が開院され、
全国的に見るとさながら静かなブームの様相を呈している。
地域でのがんの放射線医療が受けられる時代の到来と称しても
過言ではなかろう。
一方では、医療保険財政はきびしい状況に置かれている。
がんの先進医療の費用については、必ずしもすべてが健康保険による
償還の対象ではない。
したがって、がんの先進医療における民間医療保険ビジネスも
立ち上がっている。がんの先進医療における費用負担の課題と
将来展望について概説する。
1.がんの先進医療における保険外診療費について
2.がんの先進医療と医療ビジネス
3.がんの先進医療と民間医療保険ビジネス
4.がんの先進医療の費用負担のあり方-課題と将来展望
[PROFILE 若尾 文彦(わかお ふみひこ)氏]
1986年横浜市立大学医学部卒業、
1988年国立がんセンターレジデント、がん専門修練医を経て、
1992年 同中央病院放射線診断部医員。
2006年10月がん対策情報センター開設に伴い、
センター長補佐、情報提供・診療支援グループ長を併任し、
がん情報サービス(ganjoho.jp)の運用に従事。
2010年12月副センター長、2012年3月より現職。
厚生労働科学研究費補助金
「国民に役立つ情報提供のためのがん情報データベースや
医療機関データベースの質の向上に関する研究班」主任研究者、
厚生労働省「がん総合相談研修プログラム運営委員会」
「がん診療提供体制のあり方に関するワーキンググループ」
などにも参加し、がん情報提供、がん医療の均てん化の
活動・研究に取り組んでいる。
[PROFILE 佐藤 俊彦(さとう としひこ)氏]
1985年 福島県立医科大学卒業、同大学放射線科入局。
日本医科大学 第一病院放射線科助手、獨協医科大学 放射線科助手、
鷲谷病院 副院長を経て、1995年 有限会社ドクターネット
(現:株式会社CMC)代表取締役社長就任。
その後、宇都宮セントラルクリニック
(現:医療法人DIC宇都宮セントラルクリニック) 代表
株式会社ドクターネット 代表取締役社長/医療法人DIC 理事
株式会社AIIM JAPAN 代表取締役社長
Medical Research株式会社 顧問
株式会社共生医学研究所 取締役/株式会社フリール 取締役
2012年 米国財団法人 野口医学研究所 常務理事
野口記念インターナショナル画像診断クリニック 設立 院長、
現在に至る。
【著書】
『がんでは死なない!ボケにもならない!』(メタモル出版)
『医療崩壊 回避できず』(デジタルメディスン)
『100歳まで現役で生きる人のシンプルな習慣』(幻冬舎)
『だから放射線科医はおもしろい!』(現代書林)
『福島原発事故「2015年問題」の真実』(現代書林)
[PROFILE 浅野 信久(あさの のぶひさ)氏]
筑波大学大学院医学研究科修了。医学博士。
専門は、医療産業分析、医療政策経済学。
医療関連産業のコンサルタント及びアナリスト等を経験し、
国内外の産業調査や制度研究に豊富な経験を有する。
医療の新事業における新たなトレンドを見出し、分析している。
新聞、雑誌などにレポートを執筆。医療の種々の領域の将来動向や
見方に関する講演も数多い。
新興国を含め海外の医療についても広く知見を有する。
著書に「保険外診療/附帯業務-自由診療と医療関連ビジネス」等がある。