今日もちょっと成人の話をします。私も50歳を過ぎましたが、年をとると健康の維持に苦労するようになります。筋肉は簡単に落ちるし、脂肪は簡単につく上になかなか落ちないし、怪我したらなかなか治らへんから思うようにトレーニング出来ないし・・・。まあそんなわけで私もメタボ対策に結構努力しています。ちなみにメタボリック症候群の基準は「ウエストが男性85㎝以上、女性90㎝以上で血圧、血糖、脂質のうち2つ以上が基準値から外れること」です。ウエストだけで判断しているわけではないんですね。ちなみに私はウエストはギリギリ(というかたぶん気合があまり入ってない時期はオーバーしてます)ですが、それなりに運動しているおかげか高血圧も高血糖も高脂血症もないのでメタボではありません! まあ威張るほどのことでもないですが。

だいぶ脱線しましたが、今日は表題のごとく、コーヒー1杯でメタボ抑制効果があるというコーヒー好きの私には嬉しい話です。まずは引用を。

 

『京都府立医科大学のReisa Hiramatsu氏らは、日本の多施設共同大規模コホート研究J-MICC STUDYのデータを用い、メタボリックシンドローム(MetS)と食事の速さおよびコーヒー摂取量との関連を検討。その結果、レギュラー(ドリップ)コーヒーまたはインスタントコーヒーの摂取量が1日1杯未満で早食いの群と比べ、1日1杯以上の群では食事速度に関係なくMetSのリスクが低く、1日1杯以上のコーヒー摂取が早食いに起因するMetSの予防に有用である可能性が示されたとHealthcare2024; 12: 603)に発表した(関連記事「長時間坐位でもコーヒー摂取で死亡増加せず」)。

 

 早食いはMetSの一因であるとされているが、早食いの習慣を改めるのは難しい。一方、コーヒーの摂取はMetSリスク低下に関連することが示されている。そこでHiramatsu氏らは、MetSと食事速度およびコーヒー摂取量の複合的な関連を検討した。

 解析対象は、J-MICC STUDYの京都府における追跡調査(2013~17年)に参加した3,881例。内訳は女性が2,498例、男性が1,383例で、平均年齢は57.5歳、MetS有病率は15.3%(595例)だった。

 コーヒーをドリップ/インスタントコーヒーと缶/ボトル/紙パック入りコーヒーの2種類に分け、自己記入式質問票を用いてコーヒー摂取量(1日1杯未満、1杯以上)、食事速度(遅い、普通、速い)のデータを収集した。

 年齢、性、身体活動度、エネルギー摂取量、虚血性心疾患および脳卒中の既往歴、飲酒および喫煙状況を調整後のロジスティック回帰分析の結果、ドリップ/インスタントコーヒー摂取量が1日1杯以上の群は、1杯未満の群と比べてMetSのリスクが有意に低かった〔オッズ比(OR)0.695、95%CI 0.570~0.847、P<0.001〕。一方、缶/ボトル/紙パック入りコーヒーでは摂取量によるMetSリスクの有意差がなかった(同1.187、0.867~1.626、P=0.284)。

 

 食事速度に関しては、遅い群と比べて速い群でMetSリスクが有意に高かった(OR 1.689、95%CI 1.227~2.324、P=0.001)。

 ドリップ/インスタントコーヒー摂取量、食事速度、MetSの交互作用の解析では、コーヒー摂取量が1日1杯未満かつ食事速度が速い群(対照群)と比べ、1日1杯未満かつ食事速度が遅い群でMetSリスクが有意に低かった(OR 0.502、95%CI 0.296~0.851、P=0.010)。

 一方、コーヒー摂取量が1日1杯以上の群では、食事速度に関係なくMetSリスクが対照群と比べて有意に低かった(OR 0.448~0.684)。

 Hiramatsu氏らは「今回の研究では、コーヒーの種類や抽出方法、砂糖やミルクの有無などの影響は検討していない」と研究の限界を指摘。その上で「コーヒーに含まれるカフェインやポリフェノールは体重に影響を及ぼすとされており、例えばポリフェノールの一種、クロロゲン酸については、体重低下に寄与することが示唆されている(J Int Med Res 2007; 35: 900-908)。コーヒーの摂取はMetSのリスクを抑制しうる」と説明している。』

 

以上です。ドリップコーヒーまたはインスタントコーヒーを1日1杯以上飲む群では、1杯未満の群に比べてオッズ比が約0.7ということですから、リスクが3割減ですね。激減とまではいきませんが、そこそこの効果があるとみてよさそうです。ちょっと面白いと思ったのは、その効果が缶/ボトル/紙パック入りコーヒーでは見られなかったということです。ちょっと不思議ですね。缶/ボトル/紙パック入りコーヒーでは砂糖やミルクが入ったものが多いとか、「コーヒーを淹(い)れる」という食生活が影響しているかもしれません。ちなみに今回は「コーヒーの種類や抽出方法、砂糖やミルクの有無などの影響は検討していない」とのことですから、ブラックコーヒーに絞ればもしかしたらもっと差が出たかもしれません。

あと、細字でさらっと書いていますが「食事速度に関しては、遅い群と比べて速い群でMetSリスクが有意に高かった(OR:1.689)」とのことです。早食いの人は約7割、リスクが上昇するんですね。コーヒーによるリスク低下よりずっと影響が大きいです。早食いの人はまずはそれを改めることが大事なようです。私もかなり早食いなので、これからはなるべくゆっくり食べるように心がけようと思います。

早食いでもコーヒー1日1杯でメタボ抑制|糖尿病・内分泌|医療ニュース|Medical Tribune (medical-tribune.co.jp)