ゴールデンウィークが終わりましたね。今年は天気の良い日が多く、お出かけされた方も多いことと思います。私は遠出はしませんでしたが、大阪城敷地内の修道館という武道場で合気道の演武大会に参加してきました。大阪城には非常に観光客が多く、特に白人の観光客が多かった印象です。円安の影響もあるのかなとちょっと思いました。

本日ご紹介するのは、新型コロナ禍において、医者がどの程度感染し、また今後どの程度ワクチンを継続する気があるのかという論文です。私たちはやはり新型コロナ患者に接する機会が圧倒的に多いので、感染予防にかなり注意していても感染してしまうことがありますが(私も一度罹りました)、統計的にはどの程度なんだろうと関心がありました。ではまずは引用を。

 

『新型コロナワクチンの全額公費による接種は2024年3月31日で終了した。令和6年度(2024年度)は、秋冬期に自治体による定期接種が開始される。定期接種の対象となるのは65歳以上、および60~64歳で心臓、腎臓または呼吸器の機能に障害があり、身の回りの生活が極度に制限される人、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による免疫の機能に障害があり、日常生活がほとんど不可能な人で、対象者の自己負担額は最大で7,000円となっている。なお、定期接種の対象者以外の希望者は、任意接種として全額自費で接種することとなり、2024年3月15日時点の厚生労働省の資料によると、接種費用はワクチン代1万1,600円程度と手技料3,740円で合計1万5,300円程度の見込みとなっている1)。この状況を踏まえ、医師のこれまでのコロナワクチン接種状況と、今後の接種意向を把握するため、主に内科系の会員医師1,011人を対象に『2024年度 医師のコロナワクチン接種に関するアンケート』を4月1日に実施した。

 Q1では、コロナの診療に現在携わっているかについて聞いた。「診療している」が79%、「診療していない」が21%だった。年代別で「診療している」と答えた割合は、40代(86%)、60代(83%)、30代(81%)の順に多かった。診療科別では、血液内科(94%)、呼吸器内科(94%)、救急科(92%)、総合診療科(90%)、腎臓内科(88%)、神経内科(88%)、内科(85%)、小児科(83%)、消化器内科(81%)、糖尿病・代謝・内分泌内科(80%)、臨床研修医(80%)の順に多かった。
 

 Q2では、これまでの新型コロナの感染歴を聞いた。感染したことがある医師は全体の45%、感染したことがない/感染したかわからない医師は55%であった。感染したことがある医師は年齢が低いほど、感染した割合が高く、20代は60%、30代は55%、40代は51%、50代は44%、60代は35%、70代以上は24%だった。臨床数別では、病床数が多いほうが感染した医師の割合が高く、20床以上で感染したのは49%、0~19床では34%だった。また、コロナ診療状況別では、コロナを診療している医師では47%、診療していない医師では37%に感染歴があった。
 

 Q3では、2023年秋冬接種でのXBB.1.5対応ワクチンの接種状況を聞いた。全体では「接種した」が58%、「接種していない」が42%だった。年代別で「接種した」と答えた割合は、多い順に70代以上(77%)、60代(72%)、50代(61%)、20代(50%)となり、30代(45%)と40代(48%)は50%未満であった。コロナ診療状況別の接種率は、診療している医師は62%、診療していない医師は46%であった。
 

 Q4では、2024年度にコロナワクチンを接種する予定かどうかを聞いた。全体では「接種する予定」が33%、「接種する予定はない」が41%、「わからない」が26%となった。年代別では、「接種する予定」と答えた割合が過半数となったのは70代以上(56%)のみで、ほかは多い順に60代(44%)、50代(31%)、40代(28%)、20代(28%)、30代(23%)であった。30代では「接種する予定はない」が54%となり過半数を占めた。2023年コロナワクチン接種状況別で、2023年に接種した人では「2024年度に接種する予定」が53%、「2024年度に接種する予定はない」が16%となった。対して、2023年に接種していない人では、「接種する予定」が6%、「接種する予定はない」が74%となり、今回のアンケートで最も顕著な差が認められ、医師のなかでもコロナワクチンを接種する人と接種しない人の二極化が進んでいることがわかった。

 Q5では、自身が受ける2024年度のコロナワクチンの費用は、病院負担か自己負担のどちらになるか、これまでのインフルワクチンなどの対応を踏まえ推測を交えて聞いた。「おそらく全額病院負担」が22%、「おそらく一部自己負担」が22%、「おそらく全額自己負担」が23%、「わからない」が33%となり、全体的に均等な割合となった。2024年度にワクチンを接種する予定の人のうち「全額病院負担」35%、「一部自己負担」29%、「全額自己負担」16%だったのに対し、接種する予定はない人は「全額病院負担」12%、「一部自己負担」20%、「全額自己負担」30%であった。』

 

以上です。御存じの通り新型コロナワクチンもこの春から有料化されましたし、記事の通り殆どの人で定期接種の対象にならない(完全自費になる)ので、1万5千円ぐらいします。これじゃあ殆どの人は打たんだろうなと思います。私も今後打つかどうかはちょっと悩ましいところです。病院が全額負担するなら打ってもいいかな・・・。

面白いなと思ったのは、コロナに感染したことのある医師は45%で、「コロナを診療している医師では47%、診療していない医師では37%に感染歴があった」というところですね。コロナを診療していた医師に感染が多いのは想定内ですが、診療していない医師も37%感染しており、診療していた医師と1割しか差がないんですね。そういえば私が感染した時も、患者さんからではなくスタッフから感染したと考えられますので、やはりしっかり感染対策していればそれほど感染しないとも言えるでしょう。

今後のワクチンについては医者でも接種する予定が過半数なのは70代以上ということです。まあ確かに他の先進国でも今は殆どワクチンは打っていないようですし、既感染やワクチンである程度重症化を予防できることが期待できますので、医者であっても高齢者以外は必ずしも打たなくてもよいだろうなと思いました。

2024年の医師のコロナワクチン、接種する/しないの二極化進む/医師1,000人アンケート|医師向け医療ニュースはケアネット (carenet.com)