今年はインフルエンザB型が大流行しました。今も一時期よりはだいぶ減ってきたものの、発熱患者の1~2割がインフルエンザB型です。例年はインフルエンザA型が大流行し、それが収まるころにちょっとB型が流行するというパターンが多いのですが、今シーズンはインフルエンザA型の流行開始が早く、また収束も早かったためにB型が流行する環境が出来ていたということなのかなと思っています。

そんなインフルエンザB型ですが、撲滅できる可能性があるようです。一般のサイトですが短いので全文引用します。

 

『(ブルームバーグ): 宅待機命令、国境封鎖、マスク着用など新型コロナウイルス感染拡大防止対策により、インフルエンザの一つの系統が消えた。科学者らによれば、ワクチン向上でもう一つの系統を撲滅できる可能性がある。

  何十年もの間、インフルエンザ流行は四つの株が中心だった。その一つであるインフルエンザB型の山形系統は2020年3月以降は見られなくなったと、メルボルンにある世界保健機関(WHO)のインフルエンザ・リファレンス研究協力センターのイアン・バー副所長は指摘した。

  コロナを巡る制限がこの系統に「致命的な一撃を与え、ノックアウトした」とバー氏はインタビューで語った。

同系統は毎年のインフルエンザワクチンの構成要素となっているが、消滅したことで、とりわけ小児の死亡や疾病の原因となっていたウイルス源がなくなった。

 

  これはインフルB型のビクトリア系統も排除できる可能性を示した。

  科学者らが執筆し医学誌「ランセット・インフェクシャス・ディジーズ」に先週掲載された論文によると、宿主の範囲が広く、パンデミック(世界的大流行)を引き起こすリスクのあるインフルA型と異なり、インフルB型では動物の宿主が存在しないため、予防だけでなく感染拡大を防ぐようにワクチンを向上させることで、より容易に撲滅できる可能性がある。』

 

以上です。確かにコロナ禍の最初のシーズンはインフルエンザの流行が見られませんでしたね。あれだけ徹底すればインフルエンザも流行しないのだなとちょっと感動したものです。で、B型は人間以外に感染しないので、山形系統は消えたということですね。素晴らしい成果だと思うのですが、鎖国に近い交流の停止や一斉学校閉鎖などの徹底した感染予防対策で失ったものも大きかったので、素直には喜べないところです。

ちなみにワクチンでインフルエンザB型が完全に排除できるという考えには私は懐疑的です。ご存じの通りインフルエンザワクチンは重症化を抑える効果は明らかですが、感染予防効果は不十分で、ワクチンを打ったのにインフルエンザに感染したという人はいくらでもいます。それにインフルエンザB型が消えたところでメインのA型は残りますし、またほかのウイルス感染が広まる可能性も十分にありますから。初期の新型コロナのような致死率の極めて高いウイルス感染症を除き、基本的にはウイルスとの共存を目指すべきなのだろうと私は思います。

インフルB型が世界で撲滅可能も、一つの系統が新型コロナ禍で消滅 (msn.com)