久々に本屋で立ち読みに耽っていたら
わたしの足元に向かって、親指ほどの大きさの蜘蛛が歩いてきた。
蜘蛛は大っきらい。
そう思って、すぐに目を本に戻す。
本は大好き、だけどある時から極力読むことをやめていた。
活字中毒気味の私には
空想を膨らましすぎて
事務仕事や運転など
日常を送るための平常心をもっていかれやすかったから。
そんなことを思いながら読んでいる間にも蜘蛛は
通路のむこうから私のいる棚へと向かって歩いてくる。
そこへ店員さんが通りかかる
踏まれちゃう!!(>_<)
同じく通路を渡ろうとしている蜘蛛ちゃんを
視線だけで
はらはらしながら見ている。
店員さんは気付かず通り過ぎる。
ふぅ。
蜘蛛は嫌いなのに、ヨチヨチ歩いてくるこの
ダークグレイの蜘蛛ちゃんを見ていたら
なんだか うちの犬に似たものを感じた。
ひたむきで なつっこくて マイペース。。。
そういうのに弱い。
とりあえず通路にある、“座り読み”用の椅子まで誘導する。
人が来たら殺されてしまうかも。
蜘蛛は嫌いだけど
虫が死ぬところを見るのは吐き気がする程嫌い。
なのに蜘蛛ちゃんは
ヨチヨチ歩いてきて疲れたのか
椅子まであと5センチ、ってところで止まっちゃった。
大きく伸びをして・・・・そのまま床にペタンと落ち着いちゃった。
も~見てらんなぃよ(>_<)
誰かに踏まれないように
ちょっと不自然だけど
蜘蛛ちゃんのいるエリアを隠すように椅子を配置して、逃げるように別の棚へ。。。
近くで本を選んでた女の人の視線を感じたけど
そんなの気にしてる場合じゃない。
蜘蛛ちゃんは守ったし
本も読んだし
さぁ帰ろう
死ぬところを見る前に、
って思って一旦離れる。
でも そのまま帰る気にもなれず 隣の少女マンガコーナーへ。
すると蜘蛛ちゃん
私より先回りして すでに少女マンガの棚の下に向かってテトテト歩いていた。
なんだょもぉぉぅっ(>_<)
またしても ヒヤヒヤしながら
でも今度は後ろから
パタパタと足を鳴らして蜘蛛ちゃんを急き立てる
無事 棚の下の隙間へと消えてゆく蜘蛛ちゃん。
今日もひとつの命を救った。