カリフォルニア州にあるマウント シャスタに行った時、
何人かの日本の人達と食事をした事がありました。

 

その時の殆どの人達が初対面で、

僕の正面に座った20代の女性の方も

初めてお会いした方でした。

 

食事をして 暫くして、

僕は目を閉じて 数分間の短い瞑想をしたのですが、

その時に 着物を着た

年配の女性の方が頭に浮かんだのです。

 

その女性の着ている淡い藤色の着物は、

とても高貴そうで、穏やかな暖かさを感じました。

帯も髪の手入れも素敵で、とても良い印象の方でした。

 

その方は遠ざかるように

数歩歩いたかと思うと、立ち止まって、

っくりと振り向いて僕にこう言ったのです。

 

「この子に、日本に帰るように言って下さい」

 

そしてそう言ったかと思うと、

すっと消えてしまいました。

 

正面に座っていた彼女に、

その事を伝えたものかどうか

迷ったのですが、

 

きっと意味のある事なのだろうと思って

思い切って伝えたのです。

 

「あなたのお祖母さんだと思うのですが、

日本に帰るように伝えてください と言っていました。」


そう言うと彼女は少し驚いたようでしたが、

彼女の抱えている 詳しい事情を説明してくれました。

 

「実はそのお祖母さんの旦那さんが、今、危篤で、

私、日本に帰ろうかどうしようか迷っていたんです」

 

彼女は3年もの間日本に帰っていなかったのです。

 

小さい頃は そのお祖母さんに可愛がってもらっていて、

今では「お祖母さんの若い頃そっくり」だと言われている

そんな事を教えてくれました。

 

その時の彼女は本当に困っていて、

真摯に自分の人生を考えていたのだろうと思います。

 

そんな時に

縁があって

僕に出会って、メッセージを受け取ったのです。

 

その後すぐに、彼女は日本に帰国したと聞きました。

 

お祖母さんの着ていた

綺麗な藤色の着物を思い出す度に、

 

「あの時、目の前に座った彼女は

今頃どんな人生をおくっているのだろう

そう懐かしく思います。

 

きっと僕がお世話になったテルさんのように、

彼女のお祖母さんは

人の為に尽くした人徳のあるお方なのでしょう。

 

そして

その徳は回り回って、

可愛い孫に帰ってきている

のだと思います。

 

情けは 人のためにあらずというのは、
人のためでなく 自分のためという意味で、
それはきっと本当なのだと思います。

 

「誰かの為に良い事をすると、

回り回っていつか必ず自分の元に帰ってくるよ」

 

今頃になって、

テルさんが言わんとしていた

利他の心が少し解ってきたように感じます。

 

真摯に自分の人生を考え、

人の為に尽くそうとして、

 

抱えている物を手放して

自分を変えようと思う人には、

必ずメッセージが来るのです。