6、綺麗事はゆびさきで紡いだ
ちょっと数個前のお題と設定リンクさせました。
続編と言う事では無いですが。
雨丸君が変な感じで壊れている事に抵抗ある人は回れ右でお願いします。
・・・もう少し文才欲しい。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
拝啓。
さよならと言えずただ怠惰な時間が過ぎている今日この頃ですが皆様いかがお過ごしでしょうか。
日本は今は夏ですが、クーラー病などになっていませんか?(特に東先輩が)こちらは年中日本
のように四季があるわけでもないので少し暖かいと感じるぐらいです。
ところで少し前にパメリア王女とアルゴさんがそちらへ言ったとお聞きしました。少し前オレもテレ
ビでみましたが、相変わらず仲が良さそうで安心しました。あぁそうそう。あの二人で思い出したん
ですが、しばらくまえにアルゴさんの半身と会いました。皆さんのことをお話したら彼も会って見た
いと笑っていたので、もしかしたら近いうちにアルゴさんとソックリな人をみるかもしれませんね。
あの兄弟もオレたちとは違う形だけど、ちゃんと繋がってるんですよ、素敵ですよね!互いの夢を
否定した事がないなんて、オレたちでも滅多にないのに!あ、皆さんにはわからないかもしれませ
んけど、それならそうで戯言と流してください。解ったつもりでいられても不快ですから。
話を戻しますが、最近よくみなさんの夢を見ます。夢といっても誰も何も喋ってくれないのでそろそ
ろ声を忘れるか、顔が改竄されてしまうでしょう。彩花が阻止しているのか、ちっとも会えませんし。
まぁこのままいけば三年後ぐらいには街中であっても気がつきそうにありませんね。特に二人は伸
び盛りですし(あれ、もうすぐ15でしたっけ?)もし会えることがあったら、声をかけてくださいね。
あ、彩花が呼んでるので今回はこの辺で。次の手紙は夢の中で皆さんの顔が消えてしまったら、お
手紙します。いつまでも健康を祈ってますから、怪我だけはしないように。
それじゃ、愛してましたよ、次の手紙ではさよならが言えるように。
「――――さ、て」
短く黒芯が散らばる机上で、青年は封筒に今まで時間と集中力を大分費やして書上げた手紙を
丁寧にいれて、切手を貼る。便箋は綺麗な海の写真がプリントされており、まさに夏を感じさ
せるものだ。最後にあて先を書いて、中身を確かめて封をすれば完璧だ。後はポストに入れれ
ばこれは目的の場所へ届くだろう。
が。
ボッ、と。
ライターの火で端から焦がし、それを焼いた青年は、火が中ほどまで来た時その手を離した。
火の粉と共にひらりと舞い落ちたそれを足踏み潰して消化する。
青年は火が消えたことだけ確認して、部屋からそそくさと出て行った。
「あぁ、いつか火事になるって―――」
片目に眼帯。頭に猫耳をつけた男が、半分だけ焼けて手紙を拾いあげ『いつもどおり』別の封筒
へいれ、懐へしまいこむ。これは後できちんとポストへ入れるつもりだ。
「いつも、いってるのにね」
半分だけしか文面が読めない、焼けた手紙もこれで12通目。
三ヶ月ぶりに届くそれを、彼らははたして読むのか、捨ててしまうのか。
ただ男が知っていることは、差出人の名前もないこんなものを視ても、
誰も感傷も愛しさも何の感情もわかないということ。
それはきっと彼らだって同じだろう。