1、きっかけは一発の銃声 | シャルルの亡骸

1、きっかけは一発の銃声

な、なんか頭の中で『異色を極めよ』っていう悪魔のささやきが・・・


というわけで『1、きっかけは一発の銃声』ですが『彩雨+彩←蜜で彩花死にネタ』でいきます。

・・・・石投げられそうな内容だ。

大丈夫な方はスクロールどうぞ!





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サイレンサーを付けた銃の発砲音が、静かに耳朶を叩いた。
薄暗い部屋の中、頑丈な壁と鉄格子に囲われた部屋で、蜜歌は膝を抱えて蹲っていた。
まさに『牢屋』と言うイメージがピッタリのそこに似つかわしくない首元の包帯。
あれから、自分は、あの後どうなったか、しらない。
気がついたときには声帯の爆弾は撤去され、自分はこの部屋のベッドの上で横たわっていて。
数回だけ白衣を着た医者らしきものが容態を視に訪れるだけで、他に来訪者なんていなかった。
別にそれでも構わなかったのだけど。
誰が来ようどうでもよかった。
ただ、あの後どうなったかが知りたかった。
彩花は『めぇ』と一緒に逃げれただろうか。
電脳の双子はどうなっただろう。
皆、容易くつかまるような事は無いだろうけど。
逃げ切れたんだと思っていた。
逃げれたと思っていた。
グリーンの蛍光灯にボンヤリと姿を映し出された、その姿と。
彼が、常に傍に控えている看守を銃で撃つ所を見るまでは。


「・・・めぇ?」


どうして、ここにいるのだろう。
そんなことは思わず、頭の中でただ『失敗したんだ』と何処か達観した言葉が浮かんで。
ぼんやりと彼を見つめて、不意に涙が溢れる。


「彩花、は」


彼の傍に彩花がいない。
隣には、いつも。
十年前のように寄り添っていた姿がない。
あぁ。
あぁ、彩花。


「死んだんだね・・・?」


下を向いていた銃口が、自分の額へと突きつけられた。
がしゃり、と重たい音がしても、照準は揺るがない。
一度よく表情が見えないが、彼の顔を見つめて、瞬きをする。
撃たれるなら、それも良いかもしれない。
心残りは、あの子の願いを叶えれなかった事だけで。
止まらない涙を無理矢理塞き止めるように、蜜歌は瞼を重く降ろした。
撃たれるなら、それも良い。



(・・・約束、果たせなかったな)



―――けれど、いつまでたってもその気配は無く、

蜜歌が訝かしんで目を開ければ、どうしてか、今度ははっきり『めぇ』の顔が見えて。

無意識に息を呑んだ。

その表情は、だって。



「ねぇ、蜜歌」


昔見たことがある。
真音を殺した時、彩花が。


「蜜歌は、彩花のことが大好きだったんだよね?」


彩花が、彼が。


「十年間、ずっと傍にいて。多分、オレより彩花のこと、知ってるよね?」


自分に見せた表情と、全く同じ―――


「だからさ、蜜歌」


めぇは微笑みながら、泣いていた。

苦しくて仕方がなくて、それでも胸の奥で歓喜が湧き出る。

笑うことしか出来ない、表情。
一度WSに引き千切られた鎖は、同じ瞳と微笑で繋ぎなおされた。


「オレの『彩花』にならない・・・?」



今度はきっと、喉を潰すことはしないだろう。
これからはずっと、誰かを探すこともなく。
『蜜歌』が『彩花』に。
そしてずっと、もう『蜜歌』が帰ってくることはきっとない。
それもいいだろう。
真音が死んだとき、蜜歌も一緒に死んだんだから。
銃口が微かに上にあげられたと認識したときには、静かな音と共に手錠は切れ、ドアは開いていた。
開いている左手を伸ばされて、静かに自分のそれと手の平を重ねれば、もう。


「めぇ、」
「どうしたの?」


血のニオイから逃げる様に走り出した。
薄暗い廊下を、繋いだ手の平の感覚だけ頼りに。
静かな銃声で始まった、もう一度だけ『彩花』の傍にいられるチャンス。
大丈夫と、小さく呟いて蜜歌は淡く微笑んだ。


「・・・おかえりなさい」


一番最初の『彩花』の言葉は、きっとこれが正解だよね?












何からはじめようか?

とりあえずさ、もう少し髪の毛伸ばしてみようか・・・あ、みましょうか、だよね?