この日仕事の豆腐屋先輩をダメ元で誘い、時間制限付きの条件で釣りに出かけた。
先輩が出勤前に無理して付き合ってくれるのは、なかなか釣果の上がらない私を慮ってのことに違いない。
見た目と裏腹に心優しい先輩だ。
前日からの小雨が若干残る薄暗い朝のリザーバーが、私たちを静かに迎え入れてくれる。
薄暗い中出廷。
視認性バツグン、チャートカラーのリフでゆっくり誘っていく。
事前に聞いていた熱いポイントでは何も無し。
先輩の『出んかー?おかしいなー』という言葉が、坊主癖のついた私の脳裏に突き刺さる。
今日もあかんのかな…
と思った矢先、水面からリフが消えた。
初心者の私でもわかるあきらかなバイト。
しっかり合わせてフッキング。
その後は少し慌てたやりとりになったが何とかキャッチ。
48cm。いきなりの自己ベスト。
今期50UPを目標にしている私には十分すぎるサイズ。
名残惜しいけど元気に帰ってゆくバスを見送り、マジックアワーは続く。
対岸の小湾処、前回の釣行でデカバスを目撃していたところ。
否が応でも期待は高まる。
一番信頼しているブループリントを竿先にぶら下げ、出来るだけ遠くにキャスト。
ステイ→アクション→ステイ→アクションを繰り返す。
遠くで水面が割れた。
しっかり合わせた瞬間、重みを感じた。
近づくバスが見える。
先輩の『これ、(50)あるぞ』の言葉が耳に飛び込む。
ドラグが出る。
力を込める両腕にさらに重みが乗る。
五感を駆使し、バスを感じる。
あたふたする私を見て、先輩が優しく笑っていた。
手にしたバスは今までのバスと明らかに違った。
53cm。
文句なしの人生初50UP。
ガッツリとブループリントに食いつくその姿は、美しい?神々しい?荒々しい?
私の語彙力では表せないその姿に、身体が微かに震えた。
冬の間、苦しい釣りを続けた日々が報われた瞬間だった。
全ては神さまがうった布石だったのかもしれない。無神論者の私にそう思わせるほどドラマティックだった。
気づくとバスに向かって感謝の言葉を述べていた。私にとってはそれほどの存在だったのだ。
自分の縄張りに悠々と帰る姿に見惚れる。
先輩が称賛してくれる。
全てが一瞬のようで、夢をみているようだった。
結局その後、46cmを一本追加し、4B3Fで終了。
相変わらずアタフタする。
3本目もリフで。
バラしたバスはアドホックにバイト。
ハンドランディング挑戦中にフックアウト。
こんな日2度と無いかもと考えながら、タイムアップ。
初50UPを共にしてくれた豆腐屋先輩には感謝しかない。
固く交わした握手は一生の思い出だ。
帰り支度を終え、ボロボロの親指を見て、今日の朝に戻りたい。
そう心で願いながら、車のハンドルを握った。
2024/4/30
Remnant mission
フライハイトルアーで
桜バス ☑️
スノーバス
スモールマウスバス
60
残りmission3つ…