TPPへの交渉参加問題がいよいよ大詰めだ。
TPPに関しては、大手全国紙がすべて揃ってTPP推進の立場を取っており、
国民をだまそうとするウソ報道が横行していることは、みなさんご存知のことと思う。
たとえば「鹿野農水相がTPP容認に傾く」と言ってみたり(事実は違った)、自民党谷垣総裁もTPPに交渉参加すべきと報道したり(これも事実ではなかった)。
極めつけは、内閣府が試算したGDPの押し上げ効果10年間で2.7兆円という件。
朝日新聞を除く、すべての新聞が「10年間」という文言を隠して、GDPを2.7兆円押し上げるとだけ報道し、国民をミスリードしようとした。
売国朝日新聞だけがまともだったとはなんとも皮肉ww。
これに関しては、中野剛志先生が、フジテレビの「トクダネ」でキれて見せたことで、多くの国民の知るところになり、最近のテレビ報道では、「10年間で2.7兆円」とちゃんと言うようになってきた。
そんな中、今朝の産経の「主張」(社説)。
まだ懲りずに、10年でと言わずに2.7兆円と言っている。
途中からであるが、その箇所から先は省略なしの全文である。
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TPPと民主党 ~国益優先し参加まとめよ~
個別分野のデメリットが強調されているが、日本を取り巻く状況を認識しているのか。国際競争力の強化が求められている。
日本経済の現状を直視すれば、少子高齢化で国内市場は縮小し、デフレと低成長にあえいでいる。
欧州債務危機による超円高で、企業の海外移転など産業空洞化の加速が懸念されている。
自律的な成長軌道に戻すには、TPP参加でアジア・太平洋地域の成長を取り込まなければならない。内閣府の試算では、参加で実質国内総生産(GDP)は2.7兆円 0.54%押し上げられる。
米国や豪州など9カ国が参加するTPPは、アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)に向けた有力な核となり得る。アジアではASEANに日中韓を加えた貿易圏構想も語られているが、レアアース(希土類)の輸出制限など、中国の独善的な行動や一党独裁の政治体制が疑問視されている。中国に共同で対処できる点で、TPP参加には日米同盟強化の意味合いが込められている。
保険診療と自由診療を組み合わせる「混合診療」をめぐり、「議論の対象外」と説明してきた外務省が「議論される可能性は排除できない」と見解を変更したのは耳を疑う。
関係者の懸念を払拭するどころか、かえって混乱を招きかねない。丁寧かつ適切な情報開示を怠ってはならない。
------引用おわり--------------------------------------------
日本が少子高齢化、国内市場縮小、デフレと低成長にあえいでいるという部分はそのとおりだが、
だからなぜTPPへの参加なのかという説明が、「アジア・太平洋地域の成長を取り込まなければならない。」という抽象的な説明しかできていない。
じゃあ聞くが「成長を取り込む」というのは、具体的にはどういうことを言うのか。
このブログを読んでいる方は百も承知と思うが、
TPPは実質日米二国間協定のようなものだし、TPPに参加すれば国内のデフレはますます加速する。
問題は最後の赤文字の部分。
産経は、外務省が混合診療が議論される可能性について言及したことについて”耳を疑う”と言っている。
オレはこれを読んで、産経は
「今のタイミングで言うなよ。隠しておけばよかったのに。」
と外務省の見解変更を批判しているのかと思ってた。
それはおまえ新聞社として終っているだろ!ってね。
しかしもう一度読み返したら、
一応、外務省が今までそれを開示してなかったことを、
”丁寧かつ適切な情報開示を怠ってはならない”と批判しているんだよね。
だよね。
でもうがった見方かもしれないけど、
「今言うなよ。隠しておけばよかったのに」
と執筆者が内心思っているから、こういうハンパな文章になったんじゃないか。
もし産経が情報の開示の不十分さを批判するのなら、
外務省は言うタイミングが遅い。もっと早くから国民に分かりやすく示すべき。
他にも政府は隠していることがあるのではないか。
政府はそれは何か全部開示すべきだし、
それが明らかになるまでは、国益の観点からTPPの交渉参加は見送るべき。
という主張にならないとおかしくないか?
はじめにTPP参加ありきだから、こんな誤解を招くハンパな文章になるんだよ。
フジテレビがどんどんダメになっていく中で、
フジサンケイグループの中で何とか踏ん張っていると思っていた産経新聞。
産経新聞よ。おまえもかって感じである。