iPhoneなどのIT機器や電気自動車(EV)が、日進月歩、急速に進化を遂げる時代を迎えた。
しかし、そのような背景にあって、信じられない分野・取り残された分野が存在する。
それが、我々が日常使ったり、恩恵にあずかっている分野だから、
読者諸賢には、驚きだと思う。
今日は、エンジンの分野、中でも、大型発電所(原発・火発)などで使われている蒸気タービンを取り上げる。
まず、心臓部の蒸気タービンローターをご覧いただきたい!
仕上がりだけ見ると、あたかも芸術作品だ!
極めて精巧にできている!
これが、効率が低い原因だなどとは信じられないと思う。
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しかし、本当に効率が悪いのだ!
たとえば、日本が誇る最新鋭の蒸気タービンの熱効率は、たかだか
40%程度だ!
火発(火力発電所)では、燃料を燃やして高温・高圧の水蒸気をつくる。
それをノズルを使って超音速にしてタービンローターに吹き付ける。
そのタービンローターの写真が、先に示したものだ!
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断面が翼型形状をした羽根が軸に固定した回転子に取り付けられている。
しかし、パーソンス以来、134年間も使われ続けてきた、この方式は、明確な限界が見えてきた。
超音速流れを、このような羽根(翼型)に衝突させて回転力を得る方法は、羽根の隙間を通るフロースルーがあり、どうしても蒸気の流れが持つエネルギー(運動エネルギーという)を捉え切れないのだ!
(熱力学では、エンタルピー落差という。しかし、ちまたでは、エンタルピーなどという言葉は、知られていないので、ここでは、運動エネルギーという言葉を使う。同じ意味だ!)
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🔴 では、現在の最新鋭の蒸気タービンは、持っている運動エネルギーの何%を使っているのだろうか?
【答え】36%だ!
----驚くべきことに、たった36%しか使っていないのだ!
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(つづく)