S.yairi エスヤイリ YD-305 レビュー | 「Sharon with wind」のブログ

お気に入りのアコギを紹介。


S.yairi YD-305




いわゆるジャパンビンテージ。

オークションで購入。

このオリジナルのS.yairiは1982年に倒産している。

現行のs.yairiとは別会社である。


中古はピンキリだが、相場5万くらいから出回ってるので決して手が出せない価格ではないし、ある程度玉数もある。


しかし年代物なので、ネック反りやボディの変形で、弦高がやたらと高くなりとても弾けたもんじゃない個体だったり、前オーナーたちにテキトーに扱われすぎてホコリ、傷だらけの汚れた個体もあるので購入には詳細な情報の入手が必要。


僕のギターは1973年製、オイルショック時代。

当時の定価は10万円。現代に換算すると30万相当とか。

初期モデルでシャラーのゴールドペグ、指板のエンドに品番の刻印入っている。(1972〜1975製には刻印があるようだ)

初期モデルはなかなか出回ってなくて、しかもこの個体は程度も良いと出品者が言い切っていたので相場を大きく上回る値段にまで跳ね上がった。

でも買ってみたら確かに程度も良かったから満足。


さらにフレットやペグはピカールで、ボディは車用の極細コンパウンドで磨いて超ビカビカにしてやったさ。


でも、ネットで買うのは手元に届くまでやはりわからないので中古の場合はやっぱり勇気がいるね。











トップ:スプルース単板

バック:ローズウッド単板

サイド:ローズウッド合板

ネック:マホガニー

糸巻き:シャラーゴールド(ドイツ製)

指板:エボニー

ブリッジ:ローズウッド



個人的感想だが、今まで弾いたアコギの中で一番音質が良くて、最初に弾いた瞬間ほんとに感動した。

ローズウッドによる低音域がずっしりと響いて、かつ高音域だって気持ちが良く音が抜け、バランスがとれている。

さすがドレッドノート型、音量もデカイ。

ネックは太いので慣れるまで時間かかった。

マーチンのD-35を模した3ピースバッグがまた美しい。

フォスファーブロンズ弦で煌びやかな音質にしている。


インターネットでは他社のアコギ、のちのエレキを含めたジャパンビンテージについて、賛否両論ある。

日本ではオリジナルではなく、あくまで欧米のコピーモデルが大量生産されていたことは事実だろう。


しかし個人的な推察としては、高度経済成長期と日本人の器用で真面目な性格が相まってこそ、この時代には最高のギター達が次々と作られていたのではないだろうか。

言うなればオリジナルを超えているコピー品である。


と言うのも数年前に某アメリカメーカーのギターを、日本の楽器店から購入したことがある。

届いてびっくり。

指板のポジションマークが一つ抜け落ちていた→ショップに頼んで交換してもらい別の個体が届く→今度はボディやネックに制作工程で目印とされたマーカー跡が数カ所あり。一言で言えば雑だった、あえなく返品。


現代では日本のメーカーや楽器店から購入してもある程度の価格じゃないと、中国とかインドネシアとかで作ってるギターってかなり多いよね。

全部悪いわけじゃないけど、そりゃハズレ引く確率も高くなる。

70年代〜80年代は日本産のギターが出回りまくっていたのだからそりゃもう黄金時代ですわ。


1970年代は特にあらゆるアコギメーカーがマーチンを模して作っており、ジャパンビンテージを探せばS.yairi以外にもわんさかコピーが出てくる。

しかもモーリスとかヤマハなど、現代では貴重なハカランダを用いたギターを結構作っている。


ギブソンやマーチンギターが高くて買えなかった時代のロマンが詰まったジャパンビンテージギター。

当時学生だった現代のおやじ達から時に人気がある。

昭和って何でもかんでもブルースってつけりゃ哀愁漂ようステキな時代だったよね。


ちなみに井上陽水がS.yairiのYD-304を弾いていたようだ。合板ではあるがハカランダ仕様だから、今でも305より人気があるようだ。


304も弾いたけど、個人的に305の方が音が好みだから売った。

貴重なハカランダを使っているからと言って必ず全員が心地良いと感じ音とは限らないし、音にも個体差があると感じた。

参考までに。