初夏、この頃、ツバメが飛び回っているのを見かける。

    ツツジがきれいに咲いているのを、あちらこちらで見かける。

     そして、田舎の方では蛍も飛び交っているだろう。

  

         

       ↑ 公園の緑陰が、この季節、一番好き。

        なんだか、妖精たちが輪になって踊っているような。

 

    子どもの頃、九州の山奥育ちなので、

        今頃は蛍狩りに,近所の子らと。

  「こっちの水はあ~ま~いヨォ、あっちの水はにーがーいヨォ」♪

     と歌いながらーそれも、本気でホタルに呼びかけながらー

   竹ぼうきを振り下ろすと、箒の竹の間に

        蛍がはさまって、簡単につかまった。

 

    それを母が麦わらで編んでくれた虫かごーまだお日様の

     香りが残っている虫かごーに入れて持ち帰り。

    蚊帳の外にホタルを放ち、蚊帳の中で眺めながら眠りにつき。

 

     家の池の周りにはツツジが植えられていて、ピンク色の

       ツツジがにぎやかに、華やかに咲いていて

      池の端には紫、白と菖蒲が咲いていた。

 

     ツバメは家の中に巣を作り、自由に出入りしていた。

       ヒナがピーピーと鳴いている様子を下から

      興味津々で見上げていた。

 

      楽しくて、面白くて、ワクワクな日々だったなぁ・

 

          数十年という実時間が流れ・・・

 

    今は、実家は取り壊され甥っ子が新しい家を建てて

     菖蒲も池もない、ツツジはあったかな?

    近くの川も堤防の下の方になり、もう、蛍もこないという。

 

      思い出の世界は色あせることなく、いや、

       もっと鮮やかに、美しく、しあわせに

      心に残り続けるものかもしれない。

    

      

         

    もう一つのホタルの思い出。

 

      かれこれ、30年前頃、だから、かなり昔になる。

     当時、住んでいた練馬の家から椿山荘がわりに近くて。

 

       椿山荘の庭に毎年、蛍が放たれて、自由に見に行けた。

     ある日、会社勤めの夫と椿山荘の庭で待ち合わせして、私は少し

      早く着いたので、庭の中に小さな川が流れていて

       それを見下ろしながら待っていたら

     なんと、なんと

       ミレーの[種まく人]の絵のように__

 

     川沿いに、係の人が大きなザルを小脇に抱えながら

                    右に左にと蛍をバーとばらまきながら

        歩いていたのです。

      

     暗くなって、園内に沢山のホタルが、飛び交い始めます。

       手を伸ばせば簡単に捕らえられるくらいに。