履修登録について | 英語の音韻論と、英語の発音と、ときどき日常。

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このブログは、筆者の大学・大学院での主専攻である英語音韻論や英語音声学を主とし、英語学、言語学、日常のこと、私の興味のあること等を纏めたものである。

筆者は2024年3月に大学院博士前期課程を修了。

質問等コメント大歓迎。

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今回は、『履修登録』についてのお話をしたい。

 

 

  履修登録とは?

 

大学で授業を受けるには、『履修登録』を必ず行わなければならない。

 

『履修登録』とは、一学期間あるいは1年間に自分が受講したいと考えている、率直に言えば「単位が欲しい」と考えている授業を決定する手続きのこと。

 

履修登録を行わないと、たとえ授業に出席したとしても、それは出席とはみなされず、勿論単位も獲得することはできない。

 

※ ちなみに、履修登録していない授業に参加することを「もぐり」という。「授業に潜り込む」という意味らしいが、普通に迷惑行為なので辞めること。大学によっては、「もぐり」を重大な違反行為として、処罰の対象にしている所もある。

 

 

  本題に入る前に: 大学生の誤解

 

よく、「大学生は自分で時間割が決められるからいいよなぁ~」なんて声を耳にするが、それは半分正解で半分間違いだ。

 

確かに、大学生は自分で時間割が決められるので、意図的に授業のない日を作ったりすることも可能だ。しかし、履修登録は一歩間違えると、自分の首を逆に絞めてしまう可能性すらある

 

1番の失敗は、授業をあまり入れたくないがあまり、絶対に履修しなければならない必修科目を見落としてしまい、結果として総単位数はクリアしているのに、必修科目を合格していないせいで留年してしまった、というモノ。私の友達がまさにこれだった。

 

 

  履修要項はなくさないで!

 

このような事態を防ぐために、面倒くさくても、履修登録は真剣に考えなければならない。

 

みなさんは、大学入学時に当該年度(e.g., 2023年度入学なら2023年度ver.)の『履修要項』なるものをもらうと思う。

 

これは、履修登録を行う上で非常に参考になるものなので、大学を卒業するまで、大切に保管しておくこと。なかには、大学ポータルサイトに履修要項のPDF版をアップロードしてくれている大学もあるが、それは稀。

 

『履修要項』をもらったら、早速中身を確認。どの大学でも、(1)カリキュラムについて、(2)履修登録そのものについて、(3)各学部ごとの履修について、(4)教職課程などについて、の4つで構成されていることが殆どだ。

 

 

  まずはカリキュラムを確認しよう

 

カリキュラムは、学校においてどのような教育を受けるのかを示したもの。

 

ここに大学それぞれの独自色が現れるので、一概には言えないが、基本的には(1)必修科目、(2)学科専用科目、(3)自由科目、(4)随意科目に分かれていることが多い。

 

○ 必修科目

 

英語、第二外国語、専門科目、ゼミナール、実験(主に理系)など、進級や卒業までに必ず履修、単位取得しなければならない授業のこと。

 

場合によっては、履修できる学年に制限が設けられており、履修登録を忘れた場合、別の方法で単位を取得することが求められるケースもある。

 

勿論、単位取得できなかった場合も、何らかの方法(同じ授業を再び履修or別の方法)で単位を取得しなければならない。

 

○ 学科専用科目

 

学科専用科目、私が勝手にそう名付けた 笑

 

理由は、学科専用科目に分類される科目は、自分が所属する学部や学科しか履修出来ないから。

 

例えば、「英語音声学」という授業があったとして、これが「外国語学部学科専用科目」だったとしよう。そうすると、この授業は外国語学部以外の学生はどうあがいても履修することができない。

 

このような「特定の学部や学科の学生しか履修および単位取得出来ない授業」というモノが、大学には存在する。

 

学科専用科目は、一部またはすべての授業を必修にしている大学もあれば、どの授業を履修しても、卒業要件を満たす単位数分取れることができれば問題ないとする大学もある。

 

○ 自由科目

 

学科専用科目と違い、自由科目は学部や学科の区分で分けられることなく、どの学部や学科に所属していても履修登録を行うことができる

 

大学によっては、自由科目に特定の学部や学科の専門科目を含めている所もあり、例えば外国語学部に所属しながら、法律を学ぶことができる、なんてことが可能な場合もある。

 

自由科目も、一部またはすべての授業を必修にしている大学もあれば、どの授業を履修しても、卒業要件を満たす単位数分取れることができれば問題ないとする大学もある。

 

○ 随意科目

 

随意科目の定義は各大学によって異なりますので、ここでは私の出身大学の定義で説明。

 

正直言って、これが一番厄介。但し、随意科目が厄介なのは、大学で何らかの資格(教員資格など)を取得したい学生のみ。

 

私の大学では、随意科目は教員資格など、資格取得のために必要な、大学での専門的な学びの科目を指す。例えば、「英語科教授法」、「教育学」、「教育実習」など。

 

また、基本的に随意科目は、試験に合格しても、卒業要件の単位として換算されることはない(これはどの大学でも同じ)。

 

以上の科目について、例えば「必修科目48単位以上を含む、総単位数124単位以上」や、「必修科目36単位、学科専用科目外国語群12単位を含む、総単位数124単位以上」など、それぞれの大学において、また同じ大学でも学部や学科において、異なる単位取得数の要件が決められている。

 

 

  履修登録の方法や期限は予め確認を!

 

履修登録は、各学期の授業開始1週間前~授業開始1週目に行われることが多い。期間は大体数日〜1週間ほどで、最近では大学ポータルサイトからオンラインで登録できるように対応したところが増えてきた。

 

また、履修人数の調整のため、「予備登録制度」が導入されている大学も多い。

 

予備登録期間において履修登録できる授業は、大学側より予め公表される。私の大学では、英語や第二外国語の再履修、コンピューター実習、体育(実技)、資格課程科目の一部が対象になっていた。人気の授業なども予備登録の対象になるようだ。

 

因みに、予備登録を行ったとしても、当初の想定履修人数より大幅に超過した場合は、無作為抽選により、その授業を履修できる学生が決定されるので、必ず履修できるわけではない。

 

※ 予備登録という名称ではなく、単に「履修登録期間Ⅰ」「履修登録期間Ⅱ」として、履修登録自体を分割している大学もある。

 

履修登録には履修登録上限数があり、各学期ごとの履修登録上限数と1年間を通しての履修登録上限数に分けられる。だから、月~金の1~5限がすべて埋まるというのは、理系(特に医学部、薬学部)でない限り、少ないのではないかと思われる。

 

それから、履修登録した授業は、履修登録期間を終えると、原則として撤回(キャンセル)することはできない。大学によっては、授業開始1か月後あたりに、履修中止期間を設けている場合がある。

 

 

  実際に履修する授業を決める際は、履修要項×シラバスで

 

何も履修登録の際に参考にするものは履修要項だけではない。各授業の「シラバス」も授業選びの重要な指針の1つとなる

 

シラバスは、授業の内容や進行度合い、成績の決め方、使用する教科書などを記した計画書のようなものだ。こちらも、大学ポータルサイトよりオンラインで確認できることが多い。

 

また、シラバスを閲覧できるサイトには、検索機能が設けられていることが多い。授業実施年度、入学年度、所属学部学科、授業実施学期、授業区分などを指定すれば、簡単にその条件で履修可能な授業を検索することができる。

 

検索した後は、シラバスを実際に見てほしい。特にチェックしたいポイントは、授業の目的、授業の進め方、成績の決め方の3点。

 

なかでも、授業の目的の欄には、その授業を担当する先生の「個性」が現れていることが多い。

 

例えば、「私語は厳禁です」、「遅刻は△回で1回の欠席とする」、「授業中はスマートフォンの使用を禁止する」、「正当な理由なき場合の欠席は、1回でも不合格とします」など、常体や敬体に関係なく、当たり前のことをキツイ口調で書いている授業は、過去に何らかの問題があった可能性がある。

 

他にも、成績の決め方を確認することで、その授業が、所謂「楽単(=単位を取得するのが楽な授業のこと)」であるかどうかを判断することができる。

 

本当は楽単を理由に授業を選んでほしくないが、そこは個人の判断であり、私が口を出す資格はない。でも、何のために大学に行っているか、考えてほしい。

 

 

  履修登録のコツ

 

最後に、履修登録のコツを纏めておく。ぜひ参考にしていただけると幸いである。

 

  1. まずは所属学部の履修登録や卒業に必要な単位について、洗い出そう
  2. 予備登録は必ず行おう
  3. 必修科目は、自分で履修登録しなければならないものや自動的に登録されるものも含め、早めに取りきろう
  4. 出来れば3年次までに、卒業論文に関するもの以外の授業はすべて合格し、4年次は卒業論文に専念しよう
  5. 教職課程などの資格課程に挑戦する場合、4年間の履修登録プランをあらかじめ決めておこう
  6. 迷ったら「自分は何のためにその大学を志願したのか」振り返ってみよう
  7. 月曜日~金曜日(大学によっては月~土)に均等に授業を振り分け、1日に詰め込みすぎないようにしよう
  8. 出来れば1限は避けるべきだが、必修科目は1限に多い。勿論、朝が強い人は、1限にどんどん入れよう。
  9. 1年生は友達を作るために、グループワークの多い授業を選んでみるといいかも?