長年連れ添った、愛する人を病気で亡くしてから三年の月日が経った…
彼女が亡くなってからは何もやる気が起きず、仕事も辞め、毎日のように酒を浴びるほど飲み貯金も使い果たし、食うものにも困るようなそんな落ちぶれた、最低な人生を歩んでいた…
そんなある日…
仏壇の引き出しを誘われるようにして開けた
すると中から封筒が出てきたんだ
封筒の中には現金500万円と一通の手紙が入っていた
幸ちゃんへ
この手紙を幸ちゃんが読んでいると云うことは私はもう、幸ちゃんの隣にはいないのですね
先に旅立ってしまってごめんね
悲しい想いをさせてしまってごめんね
私も本当はもっと幸ちゃんの傍に居たかった
もっと苦楽を共にしたかった
もっと生きたかった
私自身の余命がわかってからはずっと
『なんで私だけ不幸にならなきゃいけないの?』って死を受け入れることがずっと出来ずにいたけど、今まで幸ちゃんと過ごして来た日々を、思い返していたら不思議と死に対しての怖さが無くなり、何故か穏やかな気分にさえなるのです
覚えているかな?
幸ちゃんが公園でクローバーが沢山生えているのをみつけて
『四つ葉のクローバー探して幸せになろうぜ!』っていきなり言い出して、二人で何時間も探したことを
やっと見つけた四つ葉のクローバーを私が採ろうとしたら幸ちゃんが
『採っちゃダメ!四つ葉のクローバーを見つけて幸せな気持ちになれたんだからそれで良いじゃないか!生きている四つ葉のクローバーを引き抜いてまで得る幸せはうちら二人には要らないだろ?』って言ったのを
幸ちゃんは『誰かの受け売りだ』なんて照れながら言ってたけど、私はたまに見せる幸ちゃんの優しい処が大好きでした
いつかマイホームが欲しいねって話したら
『ごめんね、俺の安月給じゃ無理だよね』って言った幸ちゃん
そんなことないよ
幸ちゃんのお給料でもマイホーム建てれるよ
びっくりさせようと思って、毎日節約してやりくりしてコツコツ貯めてたマイホーム貯金
でも、もう私は一緒に住めないから
幸ちゃんにはもう一度人生やり直してほしい
再婚しても怒らないから
ただ時々、私のことを思い出してくれれば、それだけで私はいいの
このお金で新しい人生をやり直してください
美砂より
手紙を読み終えた俺は不覚にも号泣してしまった…
窓が開いているにも拘わらず、大声で泣き続けた
そして俺は
「このお金でもう一度、人生やり直そう!」そう心に誓った時だった
『おとなしくしろ!』
抵抗する間もなく俺は警官に取り押さえられてしまったのだ
「やっぱ、空き巣は短時間で仕事を済ませないと捕まってしまうのか…
今度からは気をつけよう^^;」
そう、パトカーの中で思った
おしまい(^o^)ニャン