超私的組織論 | SharedValueのつくりかた

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ひとりでできることには限界があります。2人、3人になるとできることの限界が大きくなります。
ただ単に同じことをすると、できることは2倍、3倍になるだけですが、やることの内容、やり方によってはできることが4倍、5倍になります。

言い換えると、ひとりで10できていたことを、3人で50こなすことができれば、ひとりあたりの生産性は、167%になります。組織で動くことの最大のメリットが、ひとりあたりの生産性を上げることです。

どんな仕事、活動においても、この公式が当てはまるとは限りませんし、規模が大きくなることによって、生産性が下がる場合もあります。あるいは結果の質が低下することもあります。それぞれの仕事、活動によって、適正な規模と役割分担があるのです。

組織のリーダーの役目は、この効果(結果)が最大になるように組織を運営することです。
会社経営も同じです。経営者の役目は、社員の能力を最大に生かし、利益を最大化し、企業が継続できるしくみをつくることです。

会社経営、組織運営においては、その意思決定のプロセスが上記の目的達成を大きく左右します。
今年度の組織の目標を決める、現状の改善と効率化を図る、新たなプロジェクトを立ち上げる、など会社の意思決定が求められる機会はたくさんあります。

例えば、
A:構成員の意見を尊重し、すべて合意したうえで方針を決定していく。
B:ゴール(ビジョン)を明示し、構成員の役割分担に注力していく。
という2人のリーダーがいるとします。
Aは、民主的で、構成員の意見が通りやすく、ボトムアップで物事が決まっていくイメージです。
Bは、強いリーダーシップを発揮し、トップダウンで物事が決まっていくイメージです。

どちらが、働きやすい環境かを考えてみてください。
働く側からみると、Aの方が自由度が高く、働きやすい環境のように思えます。でも、構成員同士の価値観が合わないと、いつまでも物事が決まりません。
Bは、リーダーが間違うと全員が路頭に迷うことになりかねませんが、意思決定のスピードが速くなり、組織としての動きが速くなります。

極端な例ではありますが、いずれにしてもA、Bどちらかが正しいという話ではありません。組織がどういう人たちで構成されているかによって、正解が変わります。また、構成員の人数によっても、正解は変わります。
組織が2,3人の少人数であれば、Aのやり方が有効でしょうし、それ以上になるとリーダーシップがとても重要になります。

組織がうまくいくには、リーダーの責任感の強さとカリスマ性が重要です。Aの場合、構成員ひとりひとりを尊重し、理想的なリーダーのように見えますが、決定事項に対しての責任の所在があいまいです。Bの場合は、リーダーの判断力が問われ、構成員のリーダーに対する信頼度によって組織が継続できるかどうかが決まります。

組織のお話しをしてまいりましたが、企業だけにあてはまるわけでありません。会社の中でも、それぞれの部署、担当課単位でもいえることです。また、日本という国も一つの組織といえます。あるいは、家族も組織だといえます。人間はひとりで生きていける動物ではありません。誰もが、何かのリーダーになり得るし、構成員でもあるのです。いずれの場合も、自分だけが良くなることはありません。まずは自分が所属している組織を意識し、そのために何ができるかを考えることが、自分の幸せにつながる近道です。