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被災地域にいるから贅沢してはいけないのか?

代表の望月です。

先日、Share BOXをお申込みいただいた方とお電話でお話しする機会がありました。
お申込みいただいていたのは、実はお母様で、娘さんへのプレゼントとしてという事でした。お申し込みをいただいた方は宮城県の石巻市にお住まいで、最も津波被害が酷い地域の方でした。生活物資はある程度足りてきているものの、車以外の交通手段が寸断されたままの地域のため、若い子にとっては楽しみにできる事が無い状況です。

自分自身も仙台市の外れが地元なのですが、仙台の市街地へ買い物に行くという事は一大イベントです。「街行く?」が合言葉。バスで1時間程かけて出かけて行きます。東京で暮らす人の様に、気軽に少し行けば買い物ができるという環境ではありません。若い人にとって、「街へ行く」のは何日も前から楽しみにする、正に日々の活力です。

しかし、現状においては震災から3か月近く経とうとする中、公共交通機関が復旧していない地域も数多くあります。若い人にとって、遊ぶ、という事は日常よりも過酷な状況を過ごす中で非常に重要な活力源になります。贅沢、余裕、そういったものが復興への助力となると考えています。

復興へ向けて最も大きな力を発揮するのは、地元の若い力です。私は東北の出身ではありますが、大学進学と同時に東京へ出た身です。東北を離れて何年も経ちました。地元ですら浦島太郎状態になる事もしばしば。そんな人間が復興においてとやかく言う事はできません。そこで暮らしてきて、これからも暮らしていく人たちが中心となり行っていく事です。その中心となる人たちを支援していく、これがこのShare BOX PROJECTの目的です。

今はまだ非常に大変な時期だと思います。東京に暮らす自分には想像もつかない苦労を抱えたまま、傍目にはわからない様に生活をしている人が多のではないでしょうか。せめて、着る服だけでもこの身に近い物を着てもらい、そこで得た活力で周囲の人々を助けてくれれば。

冒頭の話に戻りますが、「母としてしてあげられる事がこれ位しかないんです。楽しみにできる事なんて何もなくて、震災から苦労ばかりかけて。」という言葉、母として子を強く支え続けなければならない方の苦悩。それを一挙に解決する事はできません。ただ、支援したいという方の想いと、被災地域で周りの方を支え続けられている方々の想いとを繋ぐ事はできます。少しは気が楽になってくれるかな?一瞬でも笑顔になってくれるかな?届くまでのワクワク感と、届いてからの喜びと、洋服を提供してくださる方々はそんな想いを込めてくれています。

せひ、被災地域にいる方には贅沢をしていただきたい。必要最低限で暮らすだけでは気が滅入る!明るく、楽しく過ごす事で、周りにその元気を分けてあげてください。明るく、楽しくなんて難しい日々というのはわかっています。それでも敢えてお願いしたいのです。

現地で活動ができない、インフラを作る事もできない自分たちがやれるせめてもの事。想いと想いを繋ぐ事。これのスペシャリストとして、活動を続けていきます。