第15回『時事ビブTV:大統領と首相』を観戦しました | しゃっぴいおばさんのブログ

第15回『時事ビブTV:大統領と首相』を観戦しました

6月8日は、第15回『時事ビブTV:大統領と首相』を観戦しました。

番組の裏のつとめに、

・「民主主義の砦」といわれる図書館に選書のヒントを提供する

・どんなテーマでも本を選び、案内できる選書のプロを育成を掲げ、『デモクラTV本会議』の膨大な映像資料からテーマを選び、まずはビブリオバトルを展開します。

 

ということで、皆さんに紹介するのが随分と遅くなっているうちに、

日曜日にUさんの突然の訃報が入り、周囲は今、放心状態。

何故って、前日まで元気で電話をしていたのですから。

こだわりが強くて、「図書館は自治体の一組織であることは忘れるな」と、唱えた続けた人でした。

みんなで出版した『すてきな司書の図書館めぐり』では、推薦のことばを書いていただきました。

Uさんの運転で南相馬まで一緒にドライブしたこともブログに書きました。

 

 

なにより、突然この世から去って、本人が一番びっくりしていると思います。

まだまだそんな気になれないのですが、ご冥福をお祈りします。

 

そんな落ち着かないこともありますが、気を取り直し、時事ビブの紹介です。

大統領と首相の違いは、三権分立(立法権、行政権、司法権)のうち

議院内閣制:首相が政治を行う体制。行政権は内閣に属し立法権をも持ち合わせる体制

大統領制:行政権が大統領に属し、立法権はない

と、改めて調べちゃいました。

大統領は議会から選ばれた人じゃないから、日本のようになんとなくうやむやにはしないし、

スキャンダルもいろいろあるし、今回の裁判でも「有罪!有罪!」と華々しくやれるところがあるのかなと思ったり。

ちなみに、国の代表は総督とかいろいろあるようですが、実際はその国の原文を読まないと、名称はわからないケースもあるんだそうな。

 

今回、一人は宮崎さんからZoomで参加ということで、声がうまく拾えないハプニングもあり、開始が15分ほど遅れました。

会場のバトラーも電車が遅延してギリギリセーフ。

生放送はいろいろです。

 

今回ビブリオバトルで紹介された本は、以下の4冊。◎がチャンプ本です。

○ティムール・ヴェルメッシュ『還ってきたヒトラー』河出書房新社

バトラーは中学生時代に読んだことがあるのだそうな。

ヒトラーが今の時代に帰ってきたという設定の本で、

以前読んだときは笑えた箇所が笑えなくなったり、本人の成長も含めて感じることがあったようです。

中学生でこんな本を読むのに、本を読まない私はまずビックリでした。

〇大谷直路『「泣き虫」チャーチル大英帝国を救った男の物語』集英社インターナショナル

まるで落語を聞いているような軽妙な語り口で本を紹介。

大物同士がバスルームで裸の付き合い?チャーチルのエピソードが盛りだくさん。

気になった方は手に取って読んでくださいね。

〇御厨貴、牧原出(編)『野中広務回顧録』岩波現代文庫

今回の選書でショーでは、選者は「回顧本を外した」とのことでしたが、バトラーからは挑戦がありました。

この本は、歴代の首相との回顧録。

村山富市回顧録 (岩波現代文庫)にも目を通されていて、この本との事実確認をとっているところはさすが です。

面白かったのは、傀儡政権の首相の話は、やはりエピソードが少なくてボリュームがないんだそうな。

お話を聞いてから、ネットを見ていたら、NHK政治マガジンのこんな記事に行きつきました。

 

 

◎村田晃嗣『大統領とハリウッド-アメリカ政治と映画の百年』中公新書

最初に目を閉じさせて、歴代の首相や大統領の名前を言いながら、私達に浮かぶ言葉やイメージを誘っていきます。

そして、誰もが言葉ではなく、その人の顔を思い出すことを確認後、映画へと誘う演出はさすがです。

でも、見事な演出でも、ビブリオバトルのチャンプ本とは別物なのです。

大統領のスキャンダルも映画にするアメリカの逞しさなどがギッシリ詰まった作品です。

 

バトラー2回目の挑戦でチャンプ本をとったYさん。12回の挑戦でチャンプ本を手にしたSさんは今回欠席。僻まれるかな?

今回はどれも視点が違い、評がばらけました。

そして、本を読まない私でも、いつものごとくどれも面白かったです。

 

「選書 de Show」のコーナーでの選者のことばがこちら。

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今回のテーマ〈大統領と首相〉で選んだ69冊を一気通貫で紹介しました…

新しく買ったのは50冊、家にあった本が19冊、さすがこれだけ幅が広いテーマだと、まずは岩波や中公の新書で俯瞰しながら、講談社学術文庫やちくま文庫で個別に深掘りして、主脈をつくり、後は手に入る本を巻き付けていくという、図書館づくりの実際に近い選書になりましたな…

そういう意味では、これからあらゆるメディアで大統領や首相に関する話題が増していく中で、時事に関する図書館の特集棚として、ぜひ参考にしていただきたいラインナップになりました!

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とうことで、

 

まずは、首相編から。

やはり安部首相から入りました。

『安倍政権を笑い倒す』のマツモトヒロは芸人さん。

『逃げる総理壊れる行政』の上脇博之氏は法学者で、裏金問題を当初から追及されている方だそうです。

岩波の赤本や中公新書は外せないとのこと。

そして、田中角栄へ。前回『下山事件』を読み、ドラマも見たものだから、やはり同じ匂いを感じました。

そして、大統領編へ。

この明石書店のシリーズは、図書館では全て買ってほしいと要望あり。

歴代の大統領の本は、中身は、見開き1ページの紹介になっています。

ブッシュとサッチャーとプーチン。並ぶと凄いですね。

新潮新書のこのシリーズは、特に図書館では揃えてほしいとのこと。

ブッシュの生い立ちから全てが書かれたこの本は、上下で1万程。

こんな本は個人ではなかなか買えません。そして、ぶ厚い!

韓国、フランス、カストロにも触れて。

本にもあるけど、韓国の大統領はどうして悲惨な末路をたどるのか!

最後は、未来を感じる本で締めました。

講談社学術文庫や思想系に強い中央新書をうまく取り合わせながら棚を作っていくとうまくいくとのことでした。

 

幾つかお薦めや気になった本をランダムに紹介します。

・水野剛也『新聞4コマ漫画と内閣総理大臣』春風社

7名の首相の在任期間(2001年4月26日〜2012年12月26日、約11年8ヵ月間)を時間枠として、全国3大紙(毎日・読売・朝日)に掲載された全4コマ漫画(朝刊・夕刊とも)から、もう一つの首相像を明らかにする。私はなぜだかマンガが読めない。

 

・小熊英二『首相官邸の前で』集英社インターナショナル

2016年「日本映画復興奨励賞」を受賞し映画化もされた、日本における20万人を超す人々による脱原発の抗議運動

 

・迫水久常『機関銃下の首相官邸』ちくま学芸文庫

首相官邸は、今日まで二度、二・二六事件と終戦の時に機関銃の銃火にさらされたのだそうな。

著者は偶然にも、最初は岡田首相の秘書官として、二度目は鈴木終戦内閣の内閣書記官長として遭遇した人。

 

・五百旗頭真『占領期-首相たちの新日本』講談社学術文庫

敗戦2日後に誕生した内閣から7年後の占領統治の終焉まで、非軍事化、民主化、食糧難、新憲法制定等、難問が山積する難局に、苛烈をきわめるGHQの指令のもとで対局して来た歴代首相たちの事績と人間像に迫る。

 

・松本健一『原敬の大正』

二大政党制をつくった「超現実主義的」政治家なんだそうな。名前は知っているけれど...

 

・『歴代アメリカ大統領百科-ジョージ・ワシントンからドナルド・トランプまで』原書房

1ページ見開きで大統領のことがわかるビジュアルな百科事典

 

・『世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ』汐文社 絵本

私が唯一読んだことがある本でした。

 

・『世界ではじめての女性大統領のはなし』平凡社 絵本

14年連続でジェンダーギャップ指数1位となった北欧アイスランドは、世界初の女性大統領を生んだ国。
自分と社会を信じて行動した彼女の驚くべき人生を描く評伝的絵本。

 

★次回は8月10日(17:00~)、お題は「本屋の未来」。

遠くの方もZoom参加できるので、図書館の皆さんの参加を待ちしています。

バトラーがいつも一緒ではね~

まあ、それでも十分面白いのですが、新人発掘よろしくです。

 

追伸

選者のもとに終わったあとに届いた本も紹介しておきますね。

 

アーカイブ版がYouTubeで無料公開なので、ぜひアクセスしてみて下さい!

(いつでも全編無料でご覧いただけます)

▼URLこちら

https://youtu.be/VotieQF-DQc?si=yY51igqDVbXYYW_r

「デモクラTV」ホームページのトップからでも

ログインなしで見ることできます。

▼URLこちら

https://dmcr.tv/

 

★次回は、8月10日17時より、お題は、「本屋の未来」

直接会場に来れなくても、バトラーも観戦者もZoomで参加可能です。

皆さんのお越しをお待ちしています。