築地居留地研究会「シーボルトの江戸滞在と『伊能図』をめぐる事件」報告会を聴いた | しゃっぴいおばさんのブログ

築地居留地研究会「シーボルトの江戸滞在と『伊能図』をめぐる事件」報告会を聴いた

NPO居留地研究会は、ミズノプリンティングミュージアムの水野氏を理事長に、日本の近代化に大きく貢献した居留地の歴史や文化を研究や再発見し文化の向上に寄与する団体で、講演会は隔月で開催されています。

毎年5月は「あじさい忌」と称して、必ずシーボルトにちなんだ内容なんだそうな。

そういえば、シーボルトの末裔が日本やオランダにいる話を聞いたことがあるから、去年も伺ったかもしれません。

銀座木挽町で生まれ育った「銀座の生き字引」のHさんは会員で、今回の報告会に誘ってくれました。

 

今回のテーマは、「シーボルトの江戸滞在と『伊能図』をめぐる事件」。

「伊能図」ということで、千葉県のKさんと一緒に伺ってきました。

 

講師は、横浜薬科大学の梶輝行先生。

シーボルト研究の第一人者の石山禎一先生とは、高校時代からの師弟関係だそうで、最近二人でシーボルトの書簡集の本『シーボルト書簡集成』という本を出版されました。

講演は、書簡を紐ときながら、シーボルト事件の謎を明かしていきました。

 

シーボルト事件として私でも知っている、「伊能忠敬が作成した地図を持ち出そうとしたスパイ節」は、今回の発見でどうやら違うことが分かったのだそうな。

幕府役人の高橋景保に、樺太が大陸でないことを立証した間宮林蔵、そこにオランダ商館長の存在も加わって、人のそれぞれの性格に嫉妬や妬みが書簡から見え隠れする人間模様に思わず引き込まれて行きました。

シーボルトは役人に地図を没収されるのですが、実は写しは持ち帰っていました。

それがまた実に巧妙な場所に隠していたのです。

 

書簡や関係資料は日本の古書店にとどまらず、インドネシアやフランスからも発見され、学者が歴史を一つ一つ紐解いてパズルを埋めていき、やがて全体像が見渡せた時の達成感を、お話を聴きながら私も少しだけわかるような気がしました。

歴史の授業がこんなだったら、もっと興味をもてたかもしれない(笑)

 

講演の後、梶先生に挨拶することが出来ました。

先日のNHKスペシャルの「下山」事件のようにドラマ化すると面白いのにと話したら、2021年に放映された「歴史秘話ヒストリア 日本地図を手に入れろ! シーボルトの極秘ミッション」に出演していました。

 

 

でも、この頃は、今回の新しい発見のことはもちろん触れていません。

シーボルトの末裔のためにも、是非もう一度NHKで扱ってほしいですね。

 

youtubeでも見られます。

 

 

でも、たくさんのシーボルト関係があります。

 

築地居留地交流会の皆様、ありがとうございました。

夜は築地本願寺にプロジェクションマッピングが華やかに映し出されたようです。

写真は、Hさんからの借用です。