Webコラム「図書館つれづれ」118回と、「絵本ってなあに?~子どもと読書とAIと」講演会 | しゃっぴいおばさんのブログ

Webコラム「図書館つれづれ」118回と、「絵本ってなあに?~子どもと読書とAIと」講演会

Webコラム「図書館つれづれ」第118回が公開されました。

紙とデジタルの読書については、「デジタル社会は子どもの読書環境をどう豊かにできるか?」シンポジウム(第110回コラム)で紹介したことがあります。子どもたちに1人1台パソコンが支給される時代。

今回は、専門理学療法士の結城俊也氏を講師に、日外アソシエーツ株式会社の内部勉強会に参加させていただいた報告です。

コラム、よかったら覗いてみてください。

 
そんなコラムが公開された今日、
タイミングよく船橋市西部公民館で開催された「絵本ってなあに?~子どもと読書とAIと」の講演会を聴いてきました。
講師の神保和子さんはずっと前から存じているのですが、お話を聴くのは初めてでした。
会場は、久しぶりに感じた疎外感!(笑)
読み聞かせや文庫の方々が多くて、場違いなところに迷い込んだ感があったのです。
そんな中、昨年図書館総合展で知り合ったTさんが声をかけてくれました。
 
船橋や杉並区では50年以上前から子どもたちに本を届ける家庭文庫の歴史がありました。
 
神保さんのお話しは、絵本の定義に始まり、読み手の子どもたちの変化とともに、作り手も変化していることなど、統計情報を入れながら話されました。
NHK「ゆう5時」特集の絵本ブームの実態では、メディアの取材バイアスの裏話も。
私も、メディアは自分の意図に添って取材しているのを目の当たりにしたことがあるから、大いに納得しました。
 
この2冊の児童図書館基本蔵書目録は、蔵書選びの基本中の基本なのだそうな。
戦後から今日までに日本で出版された内外の児童文学(創作物語、昔話、神話、詩など)など、子どもたちに手渡し続けたい作品1600冊余りを収載しているとのこと。
でも、これらの本が意外と読まれていないのだそうです。
ちなみに、お花は、主催者の方のお庭のお花。終わった後に神保さんに花束で手渡したいと話していました。もらって帰ったのかな?こんな心遣いは嬉しいですね♪
 
子どもたちの読書傾向として、
・読書が深まっていない
・体験が少ない
・人物の心理描写を読み取るのが苦手
などは、最近どこでも言われています。SNSや5分間読書なども影響してますよね。
なんせ、「。」や「、」がある文章は「キモイ」と言われる時代ですから。
 
歴史的背景では、2000年の子ども読書年に始まり、2003年からは指定管理者制度が導入され、司書をじっくり育てることから益々離れていくことになり...
一方で、朝読書の読み聞かせのニーズが高まり、絵本に関する民間資格(絵本講師、絵本セラピスト、絵本専門士etc)が次々とでてきました。
「子どもたちを前に絵本を読むことは、家庭での絵本タイムとは大きく違う。学ぶ必要性や拠り所のニーズ」として、学校図書館司書の配置が遅れていることを何度も指摘されました。
学校司書がちゃんと配置されていれば、こんな民間資格は司書の範囲の仕事なのです。
なるほど、そういうことなのかと納得。
 
読書環境の変化についての参考資料がこちら。コラムでも紹介したウルフの本も入っていました。
 
子どもたちの読書体験は変わってきたけれど、幾つか本が紹介されました。
抜けてるとは思いますが、ちょっとだけ紹介します。
・司書過程で学ぶ学生たちに:意外と読んでいないそうです。
 
・神保さんの文庫で子どもたちの反応の良かった本。
喜びの共有や肯定感があるからか、食べ物の本は強いですね。
 
・ジェンダーの壁を越えて。
 
本の思い出は身体感覚として残っているなど、結城さんの話に通じるものがありました。
本を手渡すことの大切さ。
AIにとっては変えれないもの「さいごは人」
子どもと真摯に向き合ってこなかった私には取り返せない時間だけど、知らないよりしったことで、よかったのかどうか.....
神保さん、貴重なお話を有難うございました。
そして、開催者の皆様、お疲れさまとともに感謝申し上げます。
 
児童サービスは図書館の中でも軽くみられる傾向があると友人から聞いたことがあります。
いえいえ、それは間違いです。
子どもたちの発達心理学など必要な土台は幅広いことを改めて実感しました。
 
追伸
一人だけの知り合いTさんは、船橋の公民館図書室で私たちの図書館システムを使ったことがあるということで、思わぬ昔話が出来たこと。
気象予報士のHさんを紹介できたのも、今日の収穫でした♪