日本図書館協会「Live!図書館員のおすすめ本 人はなぜ本を紹介するのか」に参加してきた | しゃっぴいおばさんのブログ

日本図書館協会「Live!図書館員のおすすめ本 人はなぜ本を紹介するのか」に参加してきた

昨日は、日本図書館協会の「Live!図書館員のおすすめ本 人はなぜ本を紹介するのか」イベントに参加しました。

本を読まない私が伺ったのは、登壇者に知り合いが多かったのはもちろんだけど、久しぶりに秋本さんにも会いたかったから。

 

最初に秋本敏委員長から、図書紹介事業委員会の紹介がありました。

友達が図書館雑誌に書評を書いているのは知っていたけど、選定図書を引きついだ事業なんだそうな。

図書館関係者すら意図を理解していなかった人が多いようですが、

委員会の任務の「図書館員のおすすめ本」とは、

・公立図書館等における選書等の参考に資する図書の書評による紹介
・選書ツールとしてふさわしい書評の質の確保

・本事業で紹介する図書の範囲の維持

と、書評が書ける図書館員を増やすのが目的で、発表の場として図書館雑誌が担っているとのこと。

https://www.jla.or.jp/committees/tabid/715/Default.aspx

そんな大それたことではなかったけど、

思えば、司書の皆さんと一緒に出版した『図書館司書30人が選んだ猫の本棚』と『図書館司書32人が選んだ犬の本棚』も、紹介文が書ける司書を目指していました。


1. クロストーク「君はなぜその本を推すのか」
登壇者:大林正智委員(栃木県益子町地域プロジェクトマネージャー)
髙橋将人委員(南相馬市立中央図書館)

書評と紹介文とPOPの違いは、届ける相手が誰なのかの違い。

誰にでも届けようとすると誰にも届かないのよね~。

本づくりでも、感想と紹介文の違いは校閲の門倉さんにしっかりとたたきこまれたから、納得して聴いていました。

二人の発言で気になったのは、

【高橋】図書館の蔵書と自分の蔵書のどちらが好きかと聞かれれば、好きなのは自分の蔵書。読んだ感情は記憶され、積読も一度は手に取って読みたいと記憶された本だから。

→紙は単なる表示メディアではなく、五感を使い書籍のメッセージをつかみ取る操作メディアという話を聴いたばかり。納得しました。

【大林】図書館の蔵書で借りられていない本を紹介するようにしている。自分の図書館が紹介したい本であふれている状態にしておきたい。

→あとで話題になる書店と図書館の違いに通じるものを感じました。

 

SEをしていたころ、年間7万冊も出版される本をどうやって選書しているのか気になっていました。

図書館での選書もおすすめ本の紹介も、選ぶ人の顔がもっと見えてもいいのかなあと、個人的には思ったりします。

二人のクロストークは前座だったのでしょうが、本人たちも聴衆もちょっと消化不良。もう少し聴きたかったかな。

 

2. パネルトーク「われわれはなぜ本を紹介するのか」
ゲスト:田口幹人氏(合同会社未来読書研究所共同代表)
大矢靖之氏(文藝春秋営業推進部 元フェリス女学院大学非常勤講師、元書店員など)
仲明彦氏(京都府立洛北高等学校図書館、元図書紹介事業委員会委員)
司 会:笹川美季委員(東京都府中市立図書館、日本図書館協会認定司書第2012号)

幾つかの質問を司会者から投げかけて答えていただいた後、質疑応答がありました。

メモをしたのですが、ひどい字で、そのメモが読めない!

 

覚えていることの羅列になりますが.....

書店と出版社と図書館は立ち位置が違います。

だから、本の紹介の仕方も違って当然。

私達の犬猫本の作成時にも、その違いを経験しました。

たとえば、絶版本は出版社や書店はもう売れないから興味なくて、図書館はだからこそ蔵書として保管したいし紹介したい。

 

パネリストから

書店は、「売る」という目的があるけど、図書館が本を薦めることのゴールは何?

図書館は書店員と教育者の中間的位置で大きな大義が不透明。

などの意見もあって、

公共の約束事やルールはその図書館にゆだねられていて、地域に密着するって、そういう不確かなところを埋めることなのかなあと思ったり。

「書評の書き手として司書が認知されていない」ことについては、利用者に本を届ける手段として、司書はもっとOutputを出してほしいと個人的には思います。

書評の最終目的は図書館員ではなく利用者なのだから、もっと利用者に向けたSNSやサイトのあっても良いのではととの意見もでました。

「書店は放っておいても世相が(本として)入ってくる」「『置かない本を選ぶ』に力を注ぐのが書店の仕事」という言葉が、まさに本は売るのが目的。

図書館は、動いていない本でも、読んでもらう仕掛けを作るのよね~

今は、国立国会図書館のデジタルコレクションだって立派なツール。

おすすめ本は図書館のコミュニティを超えて利用者に届けたいのだから、SNSやWebを活用したりと、図書館の課題も示されました。

以前第69回Webコラムで紹介した佐倉市のブックフェスタのように、図書館に足を運ばない人にもアプローチするために、地域と図書館と書店が連携してできることは、まだまだあるような気がします。

 

あの会場に図書館関係者でない人がいたのもびっくり。

そんな人に、司書のお薦め本が届くにはどうすればよいか、委員長も最後に話していましたが、これからの課題も明確になりました。

この企画も委員が企画。

若い力がどんどんアイデアを出して形になっていけるといいですね。

登壇者に一人くらい女性がいたらよかったかもとの意見もありますが、思うなら次回は自分から手を上げればよいだけのこと。

積極的に参加する姿勢が大事だと思います♪

そして、

何より、こんなフラットなイベントが日本図書館協会で開催されたことに感謝です。

企画運営、登壇者の皆さま、ありがとうございました。

本を読まない私でも、本が紹介されると、「読んでみようかなあ」と触手が伸びるのよね~(笑)

 

追伸

私達の犬猫本で校閲を担当し、私たちを鍛えてくれた門倉百合子さんが本『70歳のウィキペディアン』を出版しました。

TAKIBI🔥にて、著者トークイベントvol.12があります。

日時:12/14(木)

場所:TAKIBI

「70歳のウィキペディアン 図書館の魅力を語る」(門倉百合子)

興味ある方は是非!