大森西図書館『大森町を元気にするプロジェクト』を見てきました
「どこで知り合いになったか覚えていないのよね~」と私に3度もぼやかれても動じない大森西図書館のM館長から、「地域の皆さんと連携して写真展を開催しています。見に来てください」とお誘いがありました。
ほんと、いい加減に覚えないと人として失格だなとの思いもあって、友人と見学に行ってきました。
『大森町を元気にするプロジェクト』は、昨年8月に社会福祉コーディネーターの方が図書館を訪ね、「何か連携できることはありませんか」と声をかけてくださったのが始まりだそうです。
館長で着任したMさんにとって、地域と連携できるなんて願ったり叶ったりの話。
さっそく1町内会長と三輪神社の広報担当を紹介してもらったのを皮切りに話を進めていきました。
その後、近隣3町内会長とつながり、大森西出張所長・森西児童館長・地域デビュー塾長・I LOVE大森町代表も巻き込んで、文字通り地域連携での写真展が第1弾として開催にこぎつけました。
写真展は『昔を知る』『商店街を知る』『町内を知る』の3つのカテゴリに分け展示していました。
かつての大森町商店街を再現したMAPは、テプラにブッカーやトレシングペーパーなど司書道具を駆使した力作でした。
展示の後は、回想法にも使えそうなんて勝手に思ったり。
写真は、地域住民や企業から提供頂いたもので、図書館は必要に応じて編集加工を担当。
承諾がとれた人は顔をみせていますが、それ以外はぼかしを入れています。
会場に見学に来られた方には、図書館の職員や町内会長さんに神社の広報の方など、この企画を連携している方々が仕事の合間に顔を出してくれて、丁寧にガイドをしてくれていました。
そんなキャッチボールのコミュニケーションがあるからか、見に来られた方が、「もしかすると父かもしれない。ぼかしていない写真を見せてほしい」と請われ、確認したら父親だったりと、展示を通してつながっていく話もあるそうです。
足袋というと福助を思い出しますが、かつて「西の福助、東のオニタビ」と称された鬼足袋はここ大田区で作られていたそうです。
その看板をお借りしての展示コーナーでは、見に来てくれた方が、「うちに足袋があったから」と実物を持ってきてくれて、その鬼足袋も一緒に展示されていました。
そういう繋がりがこの展示の醍醐味なんだろうなあと感じました。
大森はかつて海苔で栄えた町。
東京オリンピックをきっかけに町の様子が様変わりした話や、学校の変遷など、何を聴いても興味深く、町の方々が率先して説明してくださるものだから、賑やかと言ったらありゃしない。
静かな展示には程遠い、心地よいカオス状態でした。
ビックリしたのは、昭和4年発効の看護師の合格証書。なんと警視総監が発行しているのです。
看護師の歴史一つとっても時代背景に理由があり、奥深いものを感じました。
かつては盛んに活動していた町内会も、今は衰退の危機感を持っているとのこと。
商店街もしかり。
賑わいを取り戻すには、子育て世代の地域教育に力を入れたいと、図書館との連携に乗り出しとというわけです。
過去の資料や写真などの材料は地域の住民から提供を受け、図書館がうまく料理して今回の写真展はこぎつけました。
餅は餅屋のすばらしいファインプレイ。
町内会長のOさん、三輪神社広報担当のWさんにM館長、貴重な時間を割いていただき有難うございました。
今後の地域活動を活発にするヒントがたくさん見え隠れしたプロジェクトでした。
もう少しじっくりまとめて、コラムで紹介しようと思っています。