長野に行ってきたその2:県立長野図書館
県立長野図書館は、館長にたっぷり案内していただきました。
まずは、集大成である3階の「信州・学び創造ラボ」のコーナーへ。
3階のフロアーは、元々は会議室や倉庫代わりに使われていた場所だったそうです。
私は以前の様子は知りませんが、佐世保市立図書館で同じようなBefore-Afterは見たことがあるので、なんとなく想像はつきました。
予算も限られた中で、この3階をどんな場所にするか、地元の大学の学生にも協力してもらい、青写真を描いたのがこちら。
この時点では、誰もが実現するなんて思ってもいなかったと、図書館の方が飲みながら話してくれました。
ワークショップを重ね、今の形に実現できたのは、空間デザイナーであるRさんの功績が大きかったといいます。
では、実際の様子を紹介します。
フロアーには部屋の仕切りはありません。誰もがなんとなく何をしているかわかるような空間になっています。
(この図書館のコンセプトは、2階のフロアーにあったのかも?)
入って左側の「つどう」スペースは、県立図書館サミットなどの会場にもなった場所(下の写真の奥)。
この日の午前中は県の他の部署のイベントがあり、県知事も来られていて、さりげなくPRも兼ねています。
翌日のフォーラムも、ここが会場でした。
壁は予算が足りなくてマグネットボードではなかったけど、ポストイットでラボの記録などが貼られていました。
奥の「つくる」スペースの中に入ると、
工具までばっちり用意されていました。
ジグゾーパズルも地図もここで作成したものです。
プリンターの取り扱いのマニュアルなどは図書館で用意したものではありません。この部屋を使う人たちが自主的に作成したものです。
本棚にある本も、自主的に持ち寄った本が並んでいました。
どんなふうに使うかは明確なルールがないようで(違ったらごめんなさい)、ここで作業したもので商売をしても良いし拘らないとのこと。
その代わり、ここで得たものを図書館にどうやって返すかも考えてほしいと言います。
規則で縛るのではなく、「自分たちでかかわりあいながら作っていく」、利用者によるゆるい自主運営や自治が見え隠れしました。
「ともに」のスペースには、色々な机や椅子があり、皆さん思い思いの場所でシコシコトやってました。
人が多かったので、写真がなくてごめんなさい。
この場所は、おしゃべりしても良いスペースと言いながらも、「静かに!」とか指摘もあるようで、館長はこんなステッカーも作っていました(笑)。
ここにも利用者が自主的に持ち込んだ本が並べられていました。
こちらは、廃棄される運命の本に息吹を吹き込むコーナー
思い思いの席で、たくさんの方(主に学生?)がいました。
館長はこの空間で学生どおしが受験勉強を教え合っている光景も見たことがあるそうで、色々な化学反応が生まれているんですね。
翌日の午後のフォーラムの後に、「Labo cafe]というワークショップがありました。
この場を使ってカフェをする。但しお金のやり取りはなし。
いつ、だれが、どんな形式でどんな交換方法を使ってカフェをするかをグループに分かれて話し合いました。
あいにく、時間切れで私たちは先に帰ったのですが、あのあとどんなことが話されたのでしょう。
私は、図書館を「にぎわい広場」と捉えることに、どことなく違和感を感じています。
賑わうだけなら、お茶が飲めるだけなら、何も図書館でなくてもよいからです。
館長の案内や「Labo cafe]のことを考えながら、いつしか私は、子どもたちが小さかったころに想いを馳せていました。
育児休暇がもらえなかった私は、ときどきプログラムのアルバイトをしていました。
単体テストなどで出かけるときは、同じ年代の子どもを持つマンションの友達に、歩き始めた頃の子どもたちを預かってもらい、時間換算してお礼を渡していたのです。
感謝はしながらも、Give&Takeの割り切った関係でした。
そのうち、保育園に入ることができ、毎日働くようになりました。
働き始めると、SEの仕事はなかなか定時では帰れません。
トラブルシューティングの手伝いで府中まで通ったときは、学校の先生をしていたマンションの友達が、丸1か月間、保育園のお迎えから夕食、お風呂に入れ寝せつけるまで、全てをやってくれました。
彼女は「お互いさまよ」と言ってくれましたが、この出来事が、お礼はその人に返すだけでなく、「自分にできることを、できるときに、できる人に返そう」という気持ちを、私の中に培ってくれました。
そして、館長はもしかしたら、「信州・学び創造ラボ」のこの場所を、「知の輪廻」を育む場所にしたいのかなあと、ふっと妄想をしてしまったのです。
私がどう感じるかは私の勝手なので、館長、違っていても許してくださいね(笑)。
ということで、私の妄想はこれくらいにして、図書館のほかのフロアーも紹介します。
2階の一般書コーナーは、基本NDC分類を採用ですが、テーマに合わせて色分けしています。
・信州のくらしの記憶を記録する
・はたらく・まなぶ
・今を知る
・私たちはどこから来たか
・自然と身体
・音・ことば・身体
なるほど、このほうがイメージがわきやすい。
サインの位置も変えて見やすくしたそうです。
参考書などは、その分類の最初に置くようにしているそうです。
以前はなかった学習席も作りました。
1階の児童室。
これも借りれる?
子どもたちが夢中でゲームをしていました(後ろ姿の許可とりました)
ということで、抜けているところがあるかもしれませんが、図書館の紹介はここまでです。
フォーラムは、もう少しお待ちください。