代々木八幡のバー「エスカレラ」でクロースアップマジックショー | マジックと奇術と手品と・・ほか少し★

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手品は6歳から始めた。人生の最初の6年間が惜しい。なんてね。

昨日はバー「エスカレラ」で開催されたクロースアップマジックショーを観てきました。

会場となったバーは千代田線代々木公園駅と小田急線代々木八幡駅から至近で、表通りから1歩入った裏道に面した、よくある言葉で言えば隠れ家的なバーです。

もちろん初めて行く店なので、グーグルの地図検索で位置を確認してから向かったのですが、番地で示される座標と実際の店の位置が微妙にずれていて、1分ほど迷いましたw

エスカレラはこの場で30年もお店を続けられているそうで、とても良い雰囲気のくつろげるバーです。
今回のお客さんの中にもマジックショーの告知を見て来られたわけではなく、このバー自体の常連であるという方も多かったみたいですね。


さて今回の出演マジシャンは4人。
カズ・カタヤマさん、MASAOさん、有福さん、Go!さんです。

有福さんだけは演技を見せていただくのは初めてです。
MASAOさんについては某会で懇意にしていただいているので、オフ会等の場では演技を見せていただいたことは何度もありますが、一般客向けのプロとしての演技を拝見するのは今回が初めてです。


MCはカタヤマさんで、実際のプログラムに入る前に、ここでも軽くマジックを見せていただけました。
特大カードを使ったサイドウォークシャッフルと、伸びるハンカチ、デレック・ディングルのオイル&ビネガー(かな?)。
とくにオイル&ビネガーについては、わたしも丁度昨日このショーに出かける前に、オイル・アンド・クイーンの記事を書いたばかりだったので、奇妙なシンパシーを感じてしまいました^^


トップバッターはGo!さん。
グラスに入れた状態でのシルクの消失、アンビシャスカードとライジングカード、プロフェッサーズ・ナイトメアとそれに続くロープマジック、最後はボトルプロダクション。

ボトルプロダクションは以前下北沢でも見せていただきましたが、今回のほうがさらにキレを増している感じです。
素でだまされてしまいました。


2番手の有福さんは、4枚の500円玉を使ったビジュアルなコインマジック、キャンディーのミルキーを使ったメンタルマジック、それからアニバーサリーワルツに似たプロットで、カップル客のサインしたカードを融合させるマジックなどを演じられました。
とてもフレンドリーな会話で、予想外と思える観客の行動にもうまく対応されているのが印象的でした。


途中休憩の前にカタヤマさんから、簡単なマジックのレクチャーがありました。
お札に挟んだクリップが繋がるという昔からあるマジックで、輪ゴムを併用するやり方も紹介されました。
この方法はカタヤマさんの最近の著書にも載っていますが、意外にダイ・バーノンの考案だそうです。

このお札とクリップの手品、藤原邦恭さんもバリエーションを発表されていますが、単純に見えて色々な可能性がある面白いマジックですね。


休憩後の演者はMASAOさんから。
演じられたのはポケットリング、ワンカップルーティン、フォーク曲げなど。
リラックマの袋と1個のカップを使ったカップ&ボールは、トミー・ワンダーのアイデアをワンカップに適用したような手順で、可愛さ、意外性、不思議さと多面的な魅力のあるマジックでした。
フォーク曲げいいなあ。わたしもやりたい。


トリを飾るのはMCも努められたカタヤマさん。

スライディーニ・シルクの現象を1枚で演じるマジック、レクチャーと思わせて実は・・・というサッカー的な流れ、もう絶品ですね。
直前に本当のレクチャーもされていたので、サッカーの効果が際立っていました。

後半から来られた女性の観客の反応が極めて良く、この方の反応もカタヤマさんの演技の魅力を増していたように思います。

マジックというのはマジシャンの演技だけで形作られるものではなく、環境の雰囲気や、観客の反応自体も奇術空間を形成する立派な要素だと思います。
こういう、観客との対話や反応を構成要素として引き込んでアトモスフィアを作ってゆくという構造は、なかなか他の芸術に見つけにくい稀有な部分ですね。


やっぱりねえ、クロースアップマジックというものは、貸し会議室にパイプ椅子というような環境ではなく、こういう雰囲気のある場所で見てこそ味わいのあるものですよね。

素晴らしいショーを見せてくださった4人のマジシャンとバー・エスカレラさんに感謝いたします。