監督が沈严、脚本が秦雯で全42話。原作は亦舒の同名小説。脚本の秦雯は白敬亭の《你是我的城池营垒》や《赘婿》なども手がけています。


 登場人物&あらすじ


夫が高給取りで、専業主婦だった罗子君(马伊琍)はなんの疑問も抱かず恵まれたお気楽生活を送っていたが


仕事一筋で女っ気などないと思っていた夫の陈俊生(雷佳音)がまさかの


同僚凌玲(吴越)


と不倫していたことが発覚し、離婚をすることになってしまう。

青天の霹靂、まさかの事態に狼狽える罗子君だったが、「どんな仕事でもいいからとにかく始めなければダメ」と叱咤激励して罗子君の自立に手を貸す

大親友の唐晶(袁泉)や


罗子君を夫の力を自分の実力と勘違いしている高飛車で下品な女だと思っているけれど、10年越しの彼女唐晶から頼まれて何かと罗子君の力になる

贺涵(靳东)らの手助けを受け


悩み苦しみながらも、自立して息子を育てる道を模索する中年シングルマザー罗子君の人生再構築物語。


 感想


先日のこちらの記事で選んだドラマ3作品の1つ《我的前半生》


コメントいただいていろいろと感想を述べ合っていたら無性に再視聴したくなりまして2周目いたしました。


なにしろ古いドラマなのでいろいろ忘れていたところもあったから、また新鮮な気持ちで見られて楽しかったわぁ。


私のこのドラマに対する不満な点は

①罗子君は周りに恵まれすぎていて、これは本当の苦労とはいえず、所詮ドラマな設定である。ちょっと都合が良すぎるきらいがあるんです。

特にこの2人。2人とも大手コンサルティング会社の幹部だから、経済的にも人脈的にも罗子君をサポートしまくってます。


②最終回が意味不明。いや、なんとなくは分かるんだけど、すっきりとは終わっていない。

の2点。


つまりたったの2点だということもできるかと思う。そしてそれを除けばとても面白い大人の恋愛ドラマなので、日本には入ってきておらず環境的に難しいとは思いますが、機会があれば是非ご覧になっていただきたい。


周りに恵まれてはいても、一応最低限の苦労はすることになる罗子君。最初の職場ドラッグストアにはハイヒールを履いていき仕事にならなかったり、お掃除用の洗剤液に素手を入れるのを嫌がり店長から「やる気あんの?」と叱られ


その次に高級ブランドショップの店員になった時には

自分が買い手の時には靴がキツイだの手の爪切りなさいよだの散々店員に横柄な態度をとっていたのに(この辺りは見ているこちらもイヤな気持ちになるほどの横柄さ)


前夫が現妻を連れてお買い物に来たところに鉢合わせて接客をする羽目に。


でもこの頃になるとすっかり肝も座ってきて3ヶ月連続トップセールスという実力を見せ始めるようになってくるので大分見やすくなってきます。


で、お決まりの、イヤなやつだと思っていたけど惹かれあってきちゃうってのになるんだけど


片や結婚まで考えた彼女、片や大親友である

唐晶という女性が間にいるもんだから、当然いろいろと拗れてくるわけ。ご興味ある方、この辺りは実際にご覧あれ。


ということで、あらすじに関する感想はこの程度にして。


いよいよ海外へも本格的に移動できるようになってきたのでロケ地についてちょっと書いておきます。(本帰国してすでに時間が経っているので、情報は最新のものではありません)


このドラマの撮影地は上海と香港。上海も本格的に上海中心部で撮っていて、けっこうメインのシーンで使われているのが主人公たちがしょっちゅう集う居酒屋「酱子」


この場面にはのれんがかかっていないけれど、ここは静安寺の赤坂うまやさん。といっても現在は上海から撤退されたと記憶しております。


で、陈道明が大将な酱子の店内はうまやさんではなくて四川北路の平成屋さん。入り口と店内では別のお店を使用しております。


コンサル会社の撮影地は


シノワズリ雑貨で有名な《上海滩》のレストランとかも入ってます。ここのメニューと同じかわからないけれど新天地の上海滩レストランの飲茶がわりと美味しくてよく利用してました。食器もかわいいの。


上海の街並みもかなり使われていますので、風景も見る楽しみの一つ。


衣装も良かった。キャラと洋服がちゃんとマッチしてます。

马伊琍の衣装も豪華で、今見ても素敵♡


最後に、俳優陣がなかなか豪華なこのドラマ。それぞれ印象深い演技ですが今回お2人をピックアップ。


罗子君の母親薛甄珠を演じた许娣。

许娣老师はもう中国ドラマファンなら何かの作品でお見かけしたことあると思います。この作品で第24回白玉兰奖の最佳女配角に選ばれていますが納得です。


最初はすごく感じが悪く見えると思うんですよ、この薛甄珠ってキャラは。とにかくお金お金でなんでも大騒ぎしますので。でもどんどん愛すべきキャラに変化していくのを楽しんでください。


あとお一人は罗子君にとっての第三者凌玲を演じた吴越。

凌玲は自身も大手コンサル会社で働く有能なシングルマザー。


この凌玲がなかなかの強かさで謙虚を装いどんどんと気に入らない女を追い詰めていくタイプ。


ドラマ放送時にはかなり非難されていたはずですが、それだけ真に迫って徹底的にイヤな女になりきっていたということですよね。


こちらも中美电视节で金天使奖の最佳女配奖を受賞しています。


脇まで実力派俳優を揃え、大人の恋心を熱演している《我的前半生》なのでした。日本での放送、あったら良かったのにな〜。