怪我や病気の仲間に血液をあげる、”供血猫”という役割の猫がいる。
「空から見ててね いのちをすくう“供血猫"ばた子の物語」(はせがわまみ著)が読みたい。
表紙はアマゾンから。集英社みらい文庫、2016年。
まだこの本は手に入れてないのですが、次回一時帰国したら買って帰ろうと思っています。まだ読んでいない本について書くのは気が引けますが、書かずにはいられない。
ヤフーのニュースサイトで紹介されたことでこの本を知りました。以下一部引用。
> 「供血猫」と呼ばれる猫がいる。手術や病気で輸血が必要になったほかの猫のために、自らの血液を提供する猫だ。
> 供血猫として3年間、多くの猫たちを救った後に大病を患い、12歳で逝った「ばた子」。彼女の生涯を、飼い主だったトリマーの女性がこのほど本にした。(中略)
> 現在、日本には犬猫用の血液バンクがない。そのため、動物病院の中には「供血猫」「供血犬」を飼って、独自に輸血用の血液を確保しているところもある。だがその存在はほとんど知られていない。
> 供血犬・猫には、2~7歳で、雌の場合は妊娠経験がないこと、予防接種を受けていること、などの条件がある。1度の採血量は、体の大きさによって、猫なら30~60ミリリットル。次の採血まで数カ月は必ず間をおく。(以下略)
猫や犬は人間と違い、治療用血液を公的に管理する仕組みがありません。
このため、輸血が必要になったら、その都度ボランティア動物を募ったり、ばた子のように普段からその役割を担う(in-house donor)動物がいるのですね。
猫や犬は頚静脈から採血します。麻酔をかけることもありますが、かけずに採血する場合が多いようです。温厚な性格の動物でないと務まりませんね。
採血をばた子は決してうれしいと感じていたわけでもないし、自分の血液が有効に使われることを理解してわけではないでしょう。でも、文句も言わず(実際は抗議の鳴き声をちょっとあげたかもしれないけど…)働いてくれたのは本当にありがたいです。
盲導犬とか供血猫などの姿を見たり働き具合を聞いたりすると、自分だけかもしれないけど、嬉しさを感じる一方で、どことなく申し訳ない感情がおきます。動物を好きな気持ちと人間の勝手さを動物に謝りたい気持ちが共存しているためだからだと思います。
でもやっぱり彼らには感謝を伝えたい。
他猫を救うために生きたばた子、ありがとう、おつかれさま。
[追記1] 本の作者のはせがわさんのブログはこちら。ハンドルネームはプルメリア。
[追記2] 猫の血液型はA,B,ABの三種類。猫の大多数はA型です。ただし人間のABO型とは全く別物です。猫の血液型をきめる酵素が、人間においてはチンパンジーと進化の道が分かれたあと、今から300万年前に不活化されています。これは人間の進化を考えるうえで面白い現象なのですが、またいつか書きます。