人が「運命」を背負って 生まれてくると言うのなら
何か役目があって 生まれてくると言うのなら
それに抵抗したとしても
一時的に逃れられたように見えても
また絡めとられてしまう
そういうものだと思うんだよ
人の生きる道筋を
河に例えてみようか
いくら大きな石を投げ込んでも
必死でせき止めようとしても
水は石をすり抜け
せき止めてもいずれ溢れ出す
流れの様相は変えられても
流れて行くこと自体は変えようがない
そしてみないつか大きな海に 還っていくもの
海に還らないでいられる 河なんてないよね
だから 流れをねじ曲げようと
河を大きなシャベルで 力ずくで変えようとするのは
河の水を不用意に 濁らせてしまうだけ
そんな気がするんだよ
でも僕たちは 河だから
その水面の上に どんなものを浮かべるか
それは 思い思いに
選べるんだっていうこと
ある人は 大好きな美しい花びらを
この人は 見たくもないゴミの詰まった袋を
彼の人は 想いを載せたかわいい笹舟を
その人は 捨て場所に困った使い古しのオイルを
何を河に浮かべるか それを浮かべるかどうかは
きっと自分で 決めていいことなんだよ
最期に河を眺めて
これでよかったって思えるような
そんな景色ができるって 素敵なことだと思うのよ
流れに逆らわずに生きることを 勘違いしちゃいけないよ
流されるまま生きることと 同じにしちゃいけないよ