榎本健一さんが素晴らしい、の一言でした。
ストーリーは誰でも知っているであろう「勧進帳」な訳ですけれども、コンパクトに良い所をぎゅーっと濃縮して、ミュージカル調?にまとめていて、面白かったです。
そういえば、歌舞伎もミュージカルちゃーミュージカルですもんね。
榎本健一さんといえば、「日本を代表する昭和のコメディアン」というのは知ってはいましたが、如何せん世代ではないので、じっくりと拝見する機会もあまりなく、有名な歌をちょっと知っている、という程度でした。
この作品では、所謂道化的な役ですが、飛んだり跳ねたり、くるくると表情や仕草が変わって軽妙で、愛嬌があって、重厚な弁慶とその一行、富樫達の武士達との対比が面白かったです。
小柄で華奢な感じなのに、誰よりも目が離せなくなるのは、撮り方もあるでしょうが流石だとしか。
最後、それまでのストーリーが夢だったのか現実だったのかを暈かしたように、目が覚めた強力の飛び六方で終わるのも面白かったです。
歌舞伎とはまた違った面白い作品ですので、まだ見てないよという方は是非とも。
今時ではない、義経様の「紅顔の美少年」な風情も素敵です。