超絶技巧のからくり腕時計が有名・『ジャケドロー』
Jaquet-Droz(ジャケ・ドロー)は1738年にピエール・ジャケ・ドローと、息子のアンリ・ルイ・ジャケ・ドローによって時計工房を開設したところから始まります。
研究と実験、周りが驚くようなからくりに興味を持ち、本業の時計師として懐中時計を作る傍ら、人形を動かす技術を独学で進めていました。
その意志は父親のピエール・ジャケ・ドローが亡くなった後も、息子のアンリ・ルイ・ジャケ・ドローに引き継がれ、1772年から1774年までの間に3体の動く複雑技巧の人形を作りました。
『ライター』『ドロワー』『音楽家』
この3体の人形は当時の人々を大いに驚かせました。
『ライター』は座っている人形が羽ペンを使って紙に文字を書き始める。時折インク壺に羽ペンを付けては再び書き始めるといった行動がウリでした。
『ドロワー』はルイ15世の横顔や犬、キューピッド、優雅なカップルの絵を描くのがウリでした。
『音楽家』はもっとも周りを驚かせたそうで、人形がオルガンの前に座り、鍵盤を実際に人形が指で押すことで音楽を奏でることができました。
このように『からくり』を得意としていたジャケ・ドローファミリーですが、第一次、第二次大戦の影響と、後継者がいなくなってしまった事で、一時閉鎖してしまいます。
ですが、有志の努力と有名な時計ブランドを復興させようと行動に移す者達のおかげで、無事に復興を果たすことが出来ました。
ジャケ・ドローのからくりは腕時計にも施されて、それが時計ファンを驚かせ、大成功を納めます。
これを機に復興を果たした者たちが手を引き、経営権をスウォッチグループに売り、現在に至ります。
ジャケ・ドローの特徴は腕時計の上下にサークルを設け、上のサークルでは時分を。下のサークルでは秒針を動かす『8』の字型にしているのが特徴でもあります。
同時に、超絶技巧のカラクリを取り入れた腕時計も出されています。
最近では、干支にちなんだ腕時計を制作・販売したり、ミックジャガーの『ローリングストーンズ』とのコラボをしたり、表と裏をサファイアガラスでコーティングしてほぼスケルトンの腕時計を制作・販売したりと、多種多様な商品を毎年出してきています。
腕時計の概念を柔軟に取り入れながらも、新たな時代の腕時計を見出し、形にする。
そこが、からくり遺伝子を受け継いでいるJaquet-Drozの凄さかもしれません。
正確な値段となると、難しいのですが、8の字の時計は100万以内でも買えるものもありますが、大抵100万円を超えてきます。
からくり腕時計は数百万から数千万はかかります。
小生は100万超える時計なら雲上を狙うタイプなので、持っていません。
ただ、からくり腕時計は実物を1度見たことありますが、もう、言葉を失います。
凄すぎる。
是非、上に載せた腕時計を見て、凄い!って感じてくださいね。