遠く離れていく
さっきまで掴めたワンピースの袖も
毎月毎年その色も記憶確かじゃなくなる
やがてその生地の感触も分からなくなって
今は彼女の声も聞き取れない


街は顔色を変えずに
鬱々とした雨に傘をさす

自分たちは濡れないように
雨に体温を奪われないように
見物人の好奇の目に追われた私は
この雨に流された影を探してる

痛みも苦しみも声にあげないまま
ひとり辞める決意をした彼女を
救ってあげられるチャンスはなかった