【8月25日】カウンセリング
予約していたカウンセリングに行った。
先生に相談する内容がまとめられず、行った。
とりあえず、起きたことを伝えた。
「私は何をしたらいいのか見失いました。」と言ってみた。
先生は
「不安になって当然。そのくらいの出来事が起きてますよ。
不安になったら悩んだり必死になるのは自然なことだから心配しないで」
と言われた。
「心配なのは、彼の方です。
病名だけ告げて友達に会いに行く行動は無責任です。
気持ちは分かってあげたいですが、
現実逃避した行動をとってますね。
自分には家族と婚約者がいる、という責任から逃げたらいけません。
彼が自分で病気を勉強したり婚約者と真剣に話をする、という行動が取れなければ、彼のために良くないと思います。
それに、病気を受け入れなられない人なら、結婚という壁はもともと乗り越えられない人だと思います。
結婚ってそうゆうものです。」
と言われた。
少し救われた。
確かに、せーがる君は、白血病の疑いから病名確定までの期間、
何もしなかった。タバコを止めたくらい。
怖いのは分かる。
でも、調べてみようとか、
なんとかしようという行動がなかった。
私とも向き合ってくれなかった。
せーがる君と落ち着いて話し合おうと思った。
せーがる君に、これからの生活をどうしたいか、うっすらでも考えて欲しいと思った。
酷だけど、現実から逃げないで、病気と向き合って、
生きてほしいと思った。
せーがる君は
「ピピと結婚したい気持ちに変わりはない。
でも、苦労とか不幸とか考えられない。迷惑がかかる。」と言った。
私は
「結婚はしたい。
でも、治療と結婚準備が辛いなら、治療を優先してほしい。
今の生活のまま、親と治療していく方法も、
私と結婚して治療していく方法も、
他にもたくさん良い方法はあると思う。
一番良い方法を考えるためにも病気を受け入れていこう。」
と話した。
「私も現実を受け入れないと」と思った。
【8月26日】映画
気分転換をしないとと思った。
私もせーがる君も精神的にギリギリだった。
「アベンジャーズ見に行こう」と誘ってみた。
私もせーがる君もアメコミ大好きだったので、
アベンジャーズがこの時期に上映してくれて助かった。
せーがる君はすごく興奮していた。
楽しかった。
久しぶりにせーがる君の笑顔が見れた。
「こうやって、普通の生活をしよう。
病気のことは真剣に取り組む。でも日常は日常で普通に過ごさないと」
と思った。
【9月4日】臨床試験
せーがる君は親と病院に行った。
まだハイドレアという効き目のない薬を飲んでいた。
グリベック、タシグナ、スプリセルという白血病の薬を、いつから飲むかという話をするために病院へいった。
臨床試験に参加することになった。
前日私は「婚約者にも話を聞かせてくださいって先生に相談してな。
あと子どもも作れるかできたら聞いて欲しい」とお願いしていた。
ところが、
せーがる君は先生に聞いてくれなかった。
私は先生から直接話も聞けず、
結婚生活が始まるかもしれないのに臨床試験に参加するサインをしてしまったせーがる君を、責めてしまった。
臨床試験では副作用がでても薬の変更ができないと言われた。
せーがる君は土木の過酷な仕事をしているから、
副作用がでれば仕事を辞めないといけないかもしれない。
そうなると高額な治療費を払っていけない。
どうして先生に、「結婚する予定です。仕事が続けられなければ婚約者と生活できません。臨床試験については考えさせてください。」と言ってくれなかったのか。
「薬を飲み始めて子どもは作れますか?精子を冷凍保存しておかなければいけませんか?」となぜ聞いてくれないのか。
「恥ずかしくてそんなこと聞けない」とせーがる君は言った。
また現実逃避。
私は通勤途中の駅で、せーがる君と電話しながら泣いた。
座り込んで泣いた。
その日の夜、友達から連絡があって、
「駅前でX-manの撮影しとったな!
ヒュー・ジャックマンかっこよかったな~!」と言われた。
「撮影!?私が駅に行ったときは撮影してなかったよ。見たかったな~~」と言った。
すると
「え?でも、撮影現場の前で座り込んで電話しとるピピちゃん見たよ。
真剣そうだったけ話かけんかったけど。」といわれた。
電話に真剣すぎて、ハリウッド映画の撮影していることに気づかなかった。
人だかりでニュースになるくらいの盛り上がりだったのに、ハリウッドスターに気づかなかった。
エックスメンの駅のシーンで、
泣きじゃくりながら電話して素通りしてるエキストラがいたら、
それは私です。
【9月15日】両親へ報告
せーがる君が白血病になったことを私の両親に報告した。
恐ろしいほどの勇気がいった。
せーがる君は婿養子に来る予定だった。
父さんはひどく落ち込んだ。
結婚を反対された。
延ばせと言われた。
死んだらどうするつもりだと言われた。
苦労は目に見えとると言われた。
そんなこと、私とせーがる君が一番良く分かってる。
でも父さんの気持ちも分かる。
はじめて娘が結婚する、孫ができるかもしれない、
父さんと母さんの気持ちを考えると、そう言いたくなる気持ちは分かる。
でも私はせーがるくんを諦められないし見捨てられない。
それよりも私はせーがる君に見捨てられたくない。
10年 一緒にいた
これからも一緒にいたい
辛いけど
これから
やっぱり一緒に生きていく。
これから
なんとしても
幸せを見つけていきます。