ファイアーエムブレム 風花雪月のレビューを書こうかなと思い始めました。

とはいえこのゲームは私とても好きで長時間楽しませてもらったので、かなり気合いを入れて書こうと思います。全体量も多くなるかと思いますので手始めに……。

もう何年も経ってるゲームですが念の為、ネタバレには一切配慮しないことを申し添えておきます。

 

私のFEシリーズプレイ歴

をちょっと振り返ります。初めてのプレイは小学生の頃GBAで「封印の剣」でした。とは言ってももともと頭がいい方ではありませんので、手強いシミュレーションを小学生の私は全然クリアできず、上手な友達や家族のプレイを眺める形でストーリーやキャラ部分を無邪気に楽しんでいたという感じでしたね……。最近のFEは易しいので快適にプレイしていますが、今でも封印のあの難易度やる気にならん……。

今でもゲーム性よりもシナリオ、キャラクター造形に注目してプレイしているので、このレビューも主にはその辺の話になります。

 

封印の剣(GBA)

大陸全土を巻き込みながら展開されるストーリーが規模感、テンポ共に美しくて大変良かったです。GBAシリーズは総じてグラフィックもよかった。あのドット絵画力はすごい。

 

烈火の剣(GBA)

封印の剣の前時代の話を後から出した都合もあって、ストーリーの規模感は小さく封印の剣と合わせて初めて最大限楽しめるものだったと思います。規模の大きい王道戦争ものという感じの封印の剣と比べると、個々のキャラクターの心情に寄せたストーリー展開で、それはそれでよくできていました。

今に至る私のキャラクターの好みはこの作に登場するルセアに形成されたと思っても過言ではありません。彼に人生を狂わされました。

 

聖魔の光石(GBA)

それまでのFEシリーズの中では低難度で、当時は珍しかった女主人公を登用したせいもあってかシリーズ古参ファンからは批判される風潮にありましたが、私は封印、烈火に全く劣らず非常によくできたストーリーだと評価しています。個人の好みで言えばGBAシリーズで一番好きまでもあります。特にどのゲームシナリオでも腕の見せ所となる「悪役の動機」が本当に美しかった。

本作に登場したノールにも人生を狂わされました。リオン皇子とのBLが素敵すぎた。

 

覚醒(DS)

DSになってシステムやグラフィック面で大きな変化が出始めましたね。ドット絵も好きでしたがやはり3Dのグラフィックはそれはそれで迫力あって楽しめました。それとともにプレイヤーがカスタムできる「マイユニット」が本格的に組み込まれたのも、創作趣味である私にとってはとっても好ポイント。またキャラ同士の結婚と子どもキャラの登場も、いろんなカップルの組み合わせでカスタムを楽しめてよかったです。

しかしGBAシリーズでは素晴らしかったストーリー部分が迷走し始めたところでもありました。結婚要素が出てきたこともあって「キャラゲー」化したというのが一般的な評価の風潮でしょう。私からすればキャラゲーもシナリオゲーも両立できるでしょうに、なんで肝心のそっち手抜いちゃったん!?って感じです。

メインキャラ達の造形の浅さ、説得力のなさ、物語の展開の必然性のなさ、どれをとっても本当にちゃっちいわりにいかにも壮大ですみたいな顔してるのが空回りしてて残念でした。特に烈火のルセアファンだった私にとって、彼のパクリキャラことリベラのちゃっちさは許せません。

 

if(DS)

覚醒のストーリーの浅さを更に浅く伸ばした駄作中の駄作です。面白くなさすぎて白夜を一周と透魔を途中までやってだれました。そういうわけで記憶にもほとんど無くまともに評価もできません。

別にキャラゲーを悪だとは思わないんですが、よりによってFEのタイトルでやることではないし、何より残念なのはキャラゲーとしてさえ駄作だということです。シナリオを書いたのは小学生ですか? というほどの浅薄なストーリーをとってつけるぐらいなら何も無い方がマシですし、キャラ造形の浅さといったら、仮にキャラゲーだと開き直るのならばせめてそこはちゃんと作ってほしかった。

あと主人公のデフォルト職の見た目のダサさが酷かった。なぜわざわざあんなカッコ悪いビジュアルにしたのか謎で仕方ない。

 

風花雪月(Switch)

ここからが本題です。ifまでの流れの挽回とばかりに、ものすごくストーリーの作り込みに気合いが入っていて大変好感でした。その重み深さと言ったら本来のFEへの回帰……を超えてむしろそれ以前よりも重たい。

硬派といっても王道のファンタジーを踏み外さず基本的には前向きに進んでいくGBAシリーズのノリとは違って、クリアしても後味の悪さを引くようなエグみが強く、正直言って過去作ファンにとっては評価の分かれるところなんじゃないかとさえ思います。私は好きですけどね。

 

カバー画像用に一枚、本作における私の最愛キャラ、ディミトリ王子様を。

 

以下、まずは個人的な好みを箇条書きしてみます。

▼良かったところ

・舞台設定、ストーリーが重厚かつボリューミー:本当にこれにつきる!

・ユニットの数が多い、育成自由度が高い:毎回違うキャラ、違うクラスにしてみたり育成を楽しんでたら何周でもできる!

・フルボイス:良い!!!

・選択的な同性愛要素の導入:こういう言い方をするのはよくないかもしれませんがいわゆるポリコレ的観点。前向きに評価したいと思います。

▼残念だったところ

・主人公のカスタム自由度が少ない:ストーリーとの兼ね合いで仕方ないとは思ってるけど名前と性別しか変えれないのは残念……。

・修道院での行動中、ゲーム動作が重い:というか無駄に広い。散策もほとんど作業になるからもうちょっと簡略化してもよかったのでは……。

・後半に入ると拠点BGMが全部一緒になる:前半はストーリーに合わせて変わってたのに……細かいけど個人的にはほんと気になっちゃう……。

 

レビューで扱うのは主に第一の、舞台設定、シナリオ、キャラクター造形の部分です。ざっくりと私が注目したことを挙げていこうと思います。各項目についてそれぞれ別の記事で細かく書こうかな……というつもりです。

 

「復讐」を軸にしたストーリー展開

各メインキャラ、その根っこにある動機は「復讐」です(クロードだけ例外)。皆がその過去に何かしらの闇や秘密を抱えていて、それ故にストーリーに苦味が出ています。

 

「一神教」をモチーフに用いるというチャレンジャラスな試み

ストーリーの根幹を担うものとして教団が出てきますが、ファンタジーものにありがちなフワッとした雰囲気教会とは一線を画した、明らかに意図的に一神教をモチーフに扱っています。フワッとした雰囲気教会もなんとなくの意識としてはキリスト教がモデルになってることが大半ですが、本作においては全く違うレベルです。

 

神話、伝説、舞台の歴史設定

上述の宗教と深く関わるところでもありますが、舞台設定の作り込みが非常に深く、この辺の考察がたくさんできます。

ただゲーム内で描写できる最大限よりもいっぱい作り込んでいるようで、プレイによっては尻切れトンボのような印象になることも否めません。私とて支援会話まで全てくまなく見たわけでもないので把握していないことはあるのでしょうが、それでも全ルートは通ったのですが、未だに明らかになっていないままの謎がちらついていたりします。

 

他にも書き始めるとなんか出てくるかもしれませんがひとまずはこの3本柱でいこうかと思います。

まずはじめにということでこの記事はこれにて。