手紙は憶えている DVD鑑賞 | アマルコルドのブログ

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監督:アトム・エゴヤン 脚本;ベンジャミン・オーガスト 撮影:ポール・サロシー  音楽・マイケル・ダナ
出演:クリストファー・プラマー、マーティン・ランドー、ヘンリー・ツェニー、ディーン・ノリス、ブルーノ・ガンツ
ユルゲン・プロホノフ、ハインツ・リーフェン、ディーン・ノリス
サスペンス映画の傑作!!
観ている間は、その演技、映像、演出に酔いしれる!
全て完璧以上
例えば、”森”が作品だとしたら
シーンは、密集する木々の一本一本であり
俳優は、演技は、葉の一枚一枚だ
演出やストーリーはその木々や葉に風や雨や嵐を吹かせる
クリストファー・プラマーの演技は、
枝の先にしがみつく最後の一葉のような老人ゼブを演じて絶品!
虫に喰われて黄変し枯れかけた一葉、その葉脈まで映し出すような演技
 
一眠りして目が覚めると前の記憶を失ってしまう痴呆症の老人ゼス
前の晩決意したある事と自分の現在の状況を書きとめたという手紙を同じ老人ホームの友人マックスから渡され、密かに老人ホームを抜け出し手紙に書かれている或る目的を果たすために旅に出る
手紙を渡す友人マックスを演じるのがマーティン・ランドー
最初は老けていたのでわからなかったが、、
旅にでたゼスと連絡を取り合う姿などを見ていると
ミッション・インポッシブルのTV版の「スパイ大作戦」に出ていたのを思い出す
そこらへんのキャスティングも絶妙
旅にでたゼスと周囲の人々と関わりあいの描き方がさりげなく緻密で
老人ゼスの脆さと機知、哀れさと執念を浮かび上がらせる
物語が進むにつれ状況と老人ゼスの過去がわかりだす
ピアノを弾くゼス(このシーンも素晴らしい!)
明から暗への転調
危険なサスペンスの度合いが深まる
そこに辛い記憶を持った弱々しい必死の老人が居る
そんな佇まいを見せるクリストファー・プラマーのベテラン大物俳優ぶらない渾身の演技に魅せられ
唸ってしまう!
そしてシニカルで苦い後味に、
生き残ってきたものたちとゼスの気持ちを思い言葉にならない