ドローン・オブ・ウォー DVD鑑賞 | アマルコルドのブログ

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監督アンドリュー・ニコル  脚本アンドリュー・ニコル 撮影アミール・モクリ 編集ザック・ステーンバーグ 音楽クリストフ・ベック
キャスト:イーサン・ホーク、ブルース・グリーンウッド、ゾーイ・クラビッツス、ジェイク・アベル、ジャニュアリー・ジョーンズ


ドローン爆撃機から送られてくるモノクロの映像
そこに映ったアラブの街と人々
一瞬の凄まじい爆風
後には破壊された家と斃れた人々
爆発音も悲鳴もないモノクロ映像だけの世界
しかしそれは明らかに現実
沈黙の映像が、恐ろしい
しかしもっと恐ろしいのは、
主人公であるイーサン・ホーク演じるトミー・イーガンが見上げる突き抜けるようなラスベガスの青い空だ

ラスベガスの荒野にあるコンテナの一室
そこがトミー・イーガンの戦場だ

彼はそこでドローンを操縦し、爆撃をする
テレビゲームのように現実味を伴わない行為
大空にジェット機パイロットとして復帰をあこがれるイーガンの精神は蝕まれていく

CIAの指揮下に置かれたドローン爆撃のチーム
疑わしきは排除する
次々と巻き添えを食うアラブの人々
その凄惨さと恐ろしさ
トミー・イーガンが規則を逸脱して行うある行為
彼はここで始めて現実感を味わう
このシーンにより
かろうじて、泥沼のようなトミー・イーガンの精神、
そして泥沼のような作品のバランスが保たれる
勿論、それは焼け石に水的な倫理観ではあるが

それ以上にこの作品が緊張感のあるバランスを保っているのは
ドローンから見下ろされたアラブの街や人々のモノクロの映像と
トミー・イーガンが住む町とそれを見下ろす限りなく青い空が二重写しになってゆくことだ



アメリカとアフガニスタン
たとえ生活様式は違っても
そこで生活する人々の日々の営みと想いにどれほどの違いがあるのだろうか

「敵がもしもドローンを開発したら、、、」
そんなセリフが作品中に語られる
ドローン爆撃機が最も威力を見せるのは、晴れた日だ
自然の恵みの一つ、青い空が、不安と死の象徴に変わる
ネオンに輝く夜のラスベガスを空撮するカメラは
獲物を狙うドローン爆撃機の見た目のように不気味に映る

青く澄み渡った空
それは将来、死の不安と恐怖の象徴としてしか
人々の目に映らなくなるのかもしれない

ではパー