きみはいい子 DVD鑑賞 | アマルコルドのブログ

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監督:呉美保 脚本:高田亮 撮影:月永雄太 音楽:田中拓人
出演:高良健吾、尾野真千子、池脇千鶴、高橋和也、喜多道枝、黒川芽衣、内田慈、松嶋亮太、加部亜門、富田康子

誰だって、きみはいい子と褒められたい
誰だって、ぎゅっと抱きしめられたい
愛する人から
けれどそんな思いは、いつもかなうとは限らない
誰もがかなうとは限らない
哀しみと喜びを繰り返し
子供は大人になってゆく
だけど大人だってやっぱり、、、

母親と我が子、小学校の教師と生徒,おばあさんと近くに住む障害を持つ小学生の物語
そして心の浄化の物語
けれどそれは笑顔で結ぶというありきたりで曖昧な手法では終わらない
一つ一つのシーンを徹底的に描き切る
容赦なく、優しさをこめて
教室での子供の奔放さにあきれ、小憎らしく思うこともある
ある人は子供には観せられないと思うかもしれない
虐待をする親が観たら、恥じ入り、涙を流す、、かもしれない
がんばってる大人が観たらぎゅっと心をつかまれ、涙が出てくるかもしれない


虐待する母親を演じる尾野真千子が凄い
眉がはね上がり、目が釣り上り
容赦なくわが子を突き飛ばし、殴り蹴る
ほかの母親仲間にその秘密を知られないようにとハラハラとし、目が泳ぐ
悲しみの阿修羅のよう

彼女と友達になる母親仲間の池脇千鶴のおばさん演技がハマリ過ぎ
最初、彼女とは判らなかった
その二人が向き合う痛切で愛おしい瞬間
光が優しく包み込む
人間の魂の触れ合いを演じる役者と
しっとりとした淡い光が差し込む慈愛に満ちた演出
それまでのヒリヒリとした空気感をきっちりと描いているからこその美しさ

品の良いおばあさんと障害を持つ子供の交流も単なる夢物語ではなくきちっと描かれるからこそ
それはブレずにこの作品のテーマになる

まだまだ発展途上の小学校の教員を演じた高良健吾の普通さが良い
しかし、今時の小学生、学級ちゅうもんはこういうものなのかとちょっとびっくり
僕には無理です、、なる気もないし、なれる人間でもないですが(笑)
これはもう、グッタリと言うかバッタリであります、、疲労が、、、
そんな新米教員に突如訪れる予想外の癒しの瞬間!

こんなことされたら自分だったらもう、涙、涙、涙が止まらない、、、
魂の触れ合いは、浄化となって人を一歩踏み出させる勇気になる
どんな結果になろうとも

優しい光に満たされた人間は、
雨が降りしきるどんよりした空気の中で知ったことを変化させようと
まばゆい光の中を息を切らして走り抜ける、、


この作品のテーマ曲であるCIRCLEというタイトル
それはこの作品そのもの
愛を失ったものが愛を受け愛を与える円環
そして人と人が抱きあう形そのもの
それを綺麗事ではなくきっちり描ききる
光と影
影があって光がある

何よりも登場した子供達がみんな素晴らしい
おどおどした姿、小生意気な口ぶり、明るい笑顔
恐怖に震える姿、寂しくたたずむ姿、
求める瞳、ぎゅっと結ぶ手
どれもほんとに素晴らしい


みんないい子!!




ではパー