印象に残った”ぎりぎりの男達”のDVD | アマルコルドのブログ

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オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分


監督(脚本):スティーヴン・ナイト 撮影:ハリス・ザンバーラウコス 音楽:ディコン・ハインクリフェ
出演:トム・ハーディ
上映時間:85分

登場人物は、車上の男と電話の向こうの声だけ
たった一人のワンシツエーションサスペンス
だがこのサスペンスは、状況の変化によって葛藤する男の物語ではない
男は、決意している
その決意は一分たりとも揺らがない
その決意とは、
或る過ちに対して”責任”を取ること
人は誰でも過ちを犯す
大切なのは、その責任を取ることだ
たとえそれが不合理で周囲を巻き込み
社会的破滅への道を向かうとも
電話の向こうの驚きと狼狽と懇願と失望の声
だが彼は、その人々に愛と責任を持って最善を尽くそうと必死に語りかける
男の父の顔が時折男の脳裏をよぎる
反面教師として
深い傷として

夜の街の明かり
それが車窓を通して男の顔を照らし出す
青く、黄色く、赤く
それはさながら男の心の中を表しているよう
トム・ハーディ、真っ向勝負の渾身の演技
マッド・マックスとは違ったソフトヴォイスから感情が迸る
副題は、”その夜、86分”
上映時間は、85分
男は、苦難を乗り越えようともがきながら車を走らせる
行き着く先は社会的破滅
だがなぜか余韻は気持ちがいい!

ロスト・イン・マンハッタン 人生をもう一度

監督(脚本):オーレン・ムバーマン 撮影:ボビー・ブコウスキー
出演:リチャード・ギア、ベン・べーリン、ジェナ・マローン、スティーブ・ブシェーミ、ダニエル・ブルックス、ジェレミー・ストロング
上映時間122分

男が飲んだくれながらホームレスへと堕ちてゆく
そんな筈はない、自分の状況を苛立ちかたくなに否定しながら、、、
タイトルのマンハッタン、人生をもう一度という副題、そして、リチャード・ギア
そこから想像される華やかさ明るさ
そんなものは微塵もありましぇーん!
白髪の短髪に老いを感じる深く刻まれた皺だらけの顔のリチャード・ギア
冬の寒い朝の光の中で
ヨレヨレのコートでベンチに腰かけ
気付け覚ましに缶ビールをあおる
寒い!寒すぎる!
もう一人の主役であるホームレスが集まるシェルター、
その周辺の街を彼がうろうろするの様子がドキュメンタリーチックに描かれる
これまた寒い!
人間として、一般社会人としての誇り
それが剥ぎ取られていく様が描かれる
男は苛立ち、憤る
男の心の片隅にある或る女性と合うという希望の欠片だけを抱いて
彼は町を彷徨う
男の正体が誰なのか、なぜこうなってしまったのか
それはほとんど描かれない
それが、この男どうなっちゃうんだろうという思いと同時に
ホームレスに落ちていく人々たち全ての思いを代弁しているようにも
そして明日は、わが身のようにも思わせる
こんな作品に出演、製作したリチャード・ギアに男を感じます
、、、にしても寒い!

コールド・バレット 凍てついた七月

監督(脚本):ジム・マイクル 脚本:ニック・ダミチ 撮影:ライアン・サマル 音楽:ジェフ・グレイス
出演:マイケル・C・ホール、サム・シェパード、ドン・ジョンソン、ビネッサ・ショー、ブローガン・ホール
上映時間110分


これまた、ジャケットの絵とは全然違う派手なドンパチなど無い(リアルなドンパチはあります)、怖くて苦い、だけど面白かったミステリーサスペンス
男は自宅に侵入した物取りの男を撃ち殺す
思わず引き金を引いてしまった男は恐怖に固まる
なぜなら男は、きわめて普通の生活を営む一般の平凡な男だから
男の行為は正当防衛として無罪放免になる
事件を忘れようとして家を改装する男とその妻
しかしそんな男の前に一人の男が現れる
彼は男に殺された物取りの父親だった
そこから彼は、非日常のサスペンス、謎に巻き込まれる
ひなびた田舎町の背後でうごめく薄汚い闇の世界
リアル感の有る怪しい情景がおぞましくて良い
主演の平凡な男を演じるマイケル・C・ホ-ルの平凡振りが実にいい!
非日常の世界に触れ、巻き込まれ、振り回されてゆく様に共感
恐れと心の奥にある熱い何かに突き動かされ、躊躇いながら、ビビリながら進んで行く彼の姿が良い
男に殺された息子の父親を演じるサム・シェパードは
落ちて薄汚れた父親像を凄みをもって演じて、落ちぶれた男のカリスマ(?)の鈍い光を放っている
サム・シェパードを手助けする友人の探偵を演じるドン・ジョンソンも
ウェスタンな衣装でばっちりキメ、おとなの色気といかがわしさをムンムンと匂わせながらも頼りになるナイスガイ演じて素敵!、、でもほんと怪しい~
絆とも呼べない絆で結びついた男たちの行く先に待ち構えていた苦く痛い結末
オープニングのシーンとラストのシーンは対応する
平凡な男は何を思うのか
それは、傍らに寝ている妻の姿
平凡であることの豊かな幸せを匂わせる
しかし、
シーンの呼応はこんなことをも妄想してしまう
男の巻き込まれた事件
それは、男の胸の奥にある非常に危険な憧れの夢の世界だったのではないかと

群盗


監督(脚本):ユン・ジョンビン
出演:ハ・ジョンウ、カン・ドンウォン、イ・ギョンソン、マ・ドンク、イ・ソンミン、ユン・シヘ、チョ・ジヌン、キム・ソンギョン
上映時間137分

上映時間は長いけど、お目目ぱっちりで面白かった!
雑草魂炸裂!の138分
情念のこもったド迫力の韓国歴史アクション時代劇
韓国版”水滸伝”とでもいいましょうか
だけど、主役は盗賊です
お上の圧制に立ち上がる盗賊達の姿を描いております
恐ろしい、リアルなサスペンスやホラーで見知った韓国の役者さんがとぎ次と出てくるので楽しい
いつも怖いおっさん役のマ・ドンクの泥臭いけど楽しく逞しい演技がよかったっす!
そして主役のハ・ジョンウ!


こんなになっちゃいます
さすが韓国のカメレオン俳優←僕がじゃってに名付けてるだけ~、、なははは
底辺に生きる人間をしぶとく逞しく生き生きと演じていて娯楽作品なのに絶品
しかし今回際立ったのは、カン・ドンウォン


美しくクール、しなやかで影がある
そして強い
もうひたすら強い!強すぎる
バッタバッタと押し寄せる敵を華麗に倒しちゃう
敵役だからかマッチョ系の”剛”的強さではない
そこがまた魅力で好みも分かれるとこだろうけど
男の僕が観てもかっっちょいいと思ったし
コレ系統の男子が好きな女の子ならよだれもんかも

雑草魂のハ・ジョンウとの対決!
満喫しました
こんな作品、日本で作ってくれたらなあ~
でもキャスティングが若くなっちゃって青春物の色が出ちゃうんだろうな
かといって渋めキャストだとちょっとお説教じみて、、
その中間で、炸裂したのが観たいのだ!

予告犯


監督:中村義洋 脚本:林民夫 撮影:相馬大輔 音楽:大間々昴
出演:生田 真、戸田恵梨香、鈴木亮平、濱田岳、荒川良々、宅間孝行、坂口健太郎、窪田正孝、小松菜奈、福山康平、田中圭、遠藤賢一、本田博太郎、小日向文世、仲野茂

ネットから新聞紙をかぶった男が、次々と危険な予告をし実行する
それは次第に世間の注目を集める。好奇の目から賛否両論、やがて
警察は、テロとみなし犯人探しに躍起になる
苦境のどん底の少女時代を這い上がった女捜査官は甘えんじゃないわよ!と叫ぶ
彼らの究極の目的はナンなのか?

作り手の立ち居地は素晴らしいと心底思いました
なので、もうちょっと、過激さ、残酷性、無残さをリアルに描ききって欲しかった
この立ち居地は諸刃の剣だ
下手をすると世にいる凡百の甘えを許してしまう
だからこそ、もうちょっと、、、!と思ってしまう
それでもこの立ち居地とその”想い”は好きだ

甘えんじゃないわよ!という女捜査官のバックグラウンド
その声と対峙する犯人達

住宅街から川辺を延々と走り続ける女性捜査官と犯人の男
バックに音楽は無い
その長いシーンに映画的叙情が感じられた

窪田正孝演じるネット喫茶の店員が嗚咽を漏らしながらも決然と言うせりふに説得力があり胸を打たれた

終盤の荒川良々の笑い泣きの表情に胸が熱くなる

PS、普通のラーメン屋の女の子を演じる小松菜奈、普通の演技をきちっとしていながらキラッキラしちょる!女優としてのオーラの凄さにびっくらこいた

↑結局最後はそれか~い?!

次回はもっと短くします、、反省


ではパー