私の少女 DVD鑑賞 | アマルコルドのブログ

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監督:チョン・ジュリ(脚本) 撮影:キム・ヒョンソク 音楽:チャン・ヨンギュ
出演:ペ・ドゥナ、キム・セロン、ソン・セビョク


田舎の畦道に少女がぽつんと立っている
枯れ枝のように細い足
櫛を通していないザンバラな髪の毛
汚れた顔
その奥に光る鋭い瞳は
怯えているようでもあり
こちらの心の奥底を覗き込んでいるようでもある
心の中に強く渦巻く感情を持った目の光
ワケありで田舎の警察署に赴任してきた女性警官ヨンナムとの出会い
少女はすばやく走り去る
まるで、人間に何度もいじめられた子猫のように

漁村や田舎の風景、異物を見る周囲の目、少女と女性の二人の心の動き

繊細さと曖昧さが、力強さと攻撃性と融合した素晴らしい作品


少女ドヒを演じたキム・セロンの凄まじいリアリティ!
ドヒがまるでそこに居るかのように
泣き、うずくまり、佇み、笑い、踊り、甘える
かわいらしさ、切なさとともにどこか怖さ危うさを感じさせます




女性警官ヨンナムを演じたぺ・ドゥナの大きな瞳がそれに応える
繊細さと優しさ、ためらいがちな強さを持って


二人の生み出すリアリティのある空気感と情感が
サスペンスとドラマ性をそして淡い官能性を紡ぎだす

野卑で暴力的など日の養父を演じたソン・セビョクもいい
まさに嫌な奴である
その嫌さは、異物と相対するときのムラ社会全体となる
そしてそれは、観ている自分たちの社会?かもしれない


少女ドヒは、ヨンナムを真似て長い髪を短く切る
愛に飢えたドヒにとってヨンナムは暗くぽっかりあいた自分の心に灯った
小さな灯りのよう
愛しいまでの笑顔を向けるドヒをヨンナムはしっかりと抱きしめる

二つの事件が起こる
その事件をめぐる言葉、真実、心の奥の感情
それらが見事にシニカルに絡み合う
それは、言葉から生まれる事実、映画の中で実際に起こった出来事から心の奥にある気持ちを浮かび上がらせてとても見事
女性監督チョン・ジュリの初長編となる作品というのが驚きです


少女は、精一杯細い手足を動かし伸ばし踊る
その愛おしさ
少女は眠る
その、、、、



ではパー