「もっと酷くして、愛して?」



…心臓を直接鷲掴みにされたような衝撃を受けた。


ドキドキと心拍数が急激に速まるのを感じる。



俺の下でふんわりと微笑んだ潤は、まるで女神のように優しい顔をしている。



酷くして…?愛して…?


彼は一体どれほど足らず、満たされていないのだろうか。



「ふはっ…困るなぁ。まさかそれほどだなんて。
俺だって実のところ、そんなにサドっ気がある訳じゃないんだよ?」


「…ダメなの…?」


あぁ、そんな風に見つめるな。

知ってるよ。無理じゃない、やるんだよな。

やってあげないと、俺が。

これはきっと、ニノじゃまだ満たされていないってことなんだから。


「ダメじゃないよ。
………あなたに精一杯尽くします。」


そうして左手を手に取り、性にも合わず薬指の指先にそっと口づけた。


ーーー


…なんてカッコつけてみたものの、衝撃を受けているのは紛れもない事実。


一体なにをしてあげればいいのだろうとゆっくりと考える時間が欲しいが、タイマーはどんどん時を刻み続けているので、そんなことは不可能。

3時間なんて夢中になってしまえばあっという間だろう。


「本当にいいんだよね?酷くしても。」


「うん。酷くされたくてここに来ているからね。」


一応…一応もう一度確認する。

もしかしたら「やっぱり…」なんてことがあるかもしれないと、ほんの少し期待して。



でも、そんな期待はすぐに掻き消されてしまった。


「…ニノじゃ足りてないの?」


「、、、、、翔さんもベッドの上で他の男の名前出すじゃん。」


むっ、と少し不機嫌そうに頬を膨らませた。

そっか、この前潤がニノの名前出して、それに俺が嫉妬したっていう体で色々コトを進めたもんな。


「…。
別に、そんなんじゃない、けど。でも…。」


「でも?」


「なんだか翔さんの方が好きだなぁって思うんだよね。」


「っ、」


スタッフとしての俺のサービス内容が?

それとも、櫻井翔という1人の男として?


こんな嬉しいことを言われたら、なおさら酷くしたいだなんて思えない。

それに俺の方が好きだなんて…ニノが知ったら、ニノは、、、


「はぁ、、、潤さ…やりにくいからもう喋んなよ。
傷が残らなきゃいいのと、血が出なけりゃいいんだろ?」


コクリと期待の眼差しを向けながら頷いた。


ーーー


さーて、どうしたものかな。

と思いながら、ひとまず着ていた衣服を脱がせ、白い手首をネクタイで一纏めにした。


黒いネクタイで纏めることで。細い手首と肌の白さがよく強調されて映えていて、、、控えめに言ってすごくいい。


唇をまるまる食べるように食 みながら、淡いピンク色をした胸の粒をぎゅうっと強めに摘 んだ。


「ああっ、!」


重ねていた唇が摘 んだ衝撃で離され、赤く熟 れた唇が俺の唾液でてらてらと光っていた。