※こちらのお話は潤翔です※





まるで潤の家に我が家のように帰り、玄関のドアが閉まった瞬間に潤を壁に押し付けた。


「なんで、」


なんであんなところに行った?

あの普通の男とヤるついでに腹を満たそうとしたのか?


そう喉から出ようとしたのを、思いとどまって一旦考える。


…俺が潤を捜したのはあくまでも、"あまり強く言い過ぎてしまったことを謝りたいから"。

潤を追い詰めて問いただすためではない。


「いや、、、ごめん…。」


勢いで襟を掴んでしまいそうになった手を、慌てて引っ込めた。


「…。」


「、、、確かにあんな生活が嫌だったんだけど、でも、流石に言い過ぎたっつーか…。」


「謝るためだけに、俺を捜してくれたの、、、?」


…思わず言葉に詰まる。


謝るためだけのはずだった。

でも、、、なんというか。。。


潤が俺以外を求めていることが嫌だ。


絶対に潤には俺しか居ない。

潤は俺に依存しきっている。

好きだからという理由で殺されなかったし。


今までの生活からしてそう確信していたのに、それを打ち砕かれたあの瞬間。

謎の苛立ちと嫉妬心が心の中で大きく渦巻いた。


「なんなんだろうな…。嫌なはずだったのに。あれだけノンケって言っておいて、結果がこれだったら笑える。」


「…?
なんの話?」


「まぁ要するに、もう俺以外の人間に近づくなってことだよ。」


「…それって、、、」


潤がその続きを言う前に、自分から唇を重ねた。


「…翔、さん…?」


「そんな弱々しい顔すんなって。」


「だって、なんで…。」


「…腹減ってんだろ?噛めよ。」


「………でも、」


「いいんだよ。俺もお前のことが好きだし。」


「…えっ?」


伏せられていた潤の目がこちらを向いた。


「待って、今なんて言った?」


「…もう言わない。」


「ねぇー!なんでー!」


「好きだよ。」


「…っ、、、
そ、そしたら、また翔さんの血吸っていいの、、?」


「仕方ないけど、俺自身の気持ちに気づいちゃったからにはそうなるよな。」


「じゃ、じゃあ、セ ックスも出来るっていうこと?」


あたかも当然、みたいな純粋な表情で爆弾を投下してきた潤のその言葉を聞いて、思わず吹き出してしまいそうになった。