「…しょおくん。。。」


「、、、あと3日、3日の辛抱だから。」


すると翔くんが深く息を吸って、声を潜ませた。


「…いい子で待ってろよ。帰ったら、もう嫌ってぐらいに抱いてやるから。」


      っ!」


腰の奥がズクンと戦慄いた。

吐息混じりで、いつもより低かったその声が、何度も何度も頭の中で復唱される。

…きっと周りに聞こえないように、声のボリュームを落としたのだろう。


もう…ダメだ、また身体が、、、


あぁ、かっこいい。。。

不意打ちの雄には弱い。


「…しょおくんのバカ。」


それだけ呟いて、ブツリと通話を切った。

…今度は一方的に切らないように、って思ってたんだけどな…。


ーーー


今にも暴れだしそうな体を必死に抑え込むようにして、布団に潜り込む。

布団の内側は、先程汚れなかった翔くんの服でいっぱいで。


…明日は服が届く。

それも、洗濯していない、脱いだままのものが。


……思考が完全に変態と同じだが、番になるとどうしてもこっち方向にいってしまうのだ。


今夜は比較的落ち着いて過ごせたけれど、明日は大変だろうな。

でも、…いい子で待ってろよって言われたから、服は汚さないようにしないと、、、


…ヒートの状態では、番であるαからの言葉が命令として捉えられてしまうことが多い。


けど、この方が好都合かも知れない。

自分を抑制しやすくなるから、ヒートを終えた後が楽だ。


「…早く寝よ、、」


明日が来て欲しいけど来て欲しくない。

そんな矛盾した気持ちを抱えながら目を閉じた。


ーーー


翌朝。

また長い1日が始まるのかと、起きて早々ため息が漏れた。


昨夜翔くんに言われたことを思い出して、出来るだけ自分のキツいフェロモンの匂いが漏れないように、数cmだけ玄関のドアを開けて確認してみたら、そこには1つだけダンボールが置かれていた。

…間違いない、これだ。

微かに嗅ぎ慣れた翔くんの匂いがする。


ダンボールを両手に抱え、そそくさと部屋に入った。


とりあえず寝室に持って行って、ベッドの上に置く。

…果たして媚 薬のようなこれを、朝から開けても良いのだろうか。


今はまだ身体が激 しく疼 いたり…なんてことはまだなっていないけど。

でも、本当に…本当に微かに翔くんの匂いがするのだ。

正直気になって仕方がない。


「あけ、るか…。」


1人で悶々と過ごす時間なんていらない。

翔くんをめいっぱい感じられる時間が欲しい。


そう思って、ゆっくりとダンボールを開けた。

中に丁寧に収められているジップロックに詰められている翔くんの服。


日中着ていた服を送るためだけにお金をかけさせてしまったことは申し訳ないが、今はそんなことを考えている場合ではない。

1つ深呼吸をしてから、その封を切った。


              っ、!!、、」


思わず口を覆ってしまった。

酷く強い翔くんの匂いが、鼻腔を通って全身に広がる。


やっぱりこれは媚 薬だ。

文字通り、頭がクラクラしてくる。


「、、っ…、、、」


やっぱりもう、我慢出来ないよ。。。


ーーー