気になる依頼内容は、、、
先日株を購入したある小さな企業から、資金の搾取だって。
じゃ、早速やってみよっか。
よっこらせとソファーに腰掛け、詐欺で使う用のスマホに電話番号の入力を始めた。
シナリオは大体頭の中で完成している。
上手くやれば上の人たちを頼ればいいし。
数回のコールの後、とある人が電話に出た。
N「私、ARS証券の神楽と申します。御社の山田社長様にお話したいことがありまして、お電話させて頂いたのですが、お時間よろしいでしょうか。」
「ARS証券の神楽様ですね。ただいま山田に確認を取りますので、少々お待ち下さい。」
数分後。
「お待たせいたしました。ただいま山田に代わらせて頂きます。」
「…はい、お電話代わりました山田です。」
N「山田社長様、初めまして。ARS証券の神楽と申します。
少々お時間頂いてもよろしいでしょうか。」
「えぇ。大丈夫です。」
N「ありがとうございます。
…山田社長様が先日9月15日にご購入された、株のお話なのですが。」
「はい。」
N「購入された株は、自社から横領した金で購入されたということで間違いないですか?」
「はい。……はい?!い、一体、なに、、、どういうことでございましょうか。」
N「そのままの意味でございます。購入された5000株は、横領した金で購入したものですね?」
「し、していない!そんなことは断じてしていないですが!!!」
N「もう全てこちらでわかっていることですので、隠しても無駄ですよ。」
「だから、していないって、、、!」
N「今すぐにでも御社に警察を送り込むことも可能ですが、私だってそのようにはしたくないのです。まず、横領した分の金を会社に戻して頂きたい。今は横領した分だけ、穴が空いている状態ですので。」
「いえ、だから私は…。」
N「まだ白を切るおつもりですか。では、今から警察の方にご連絡させて頂きますね。社長様が捕まったとなれば、御社はもう終わりですね。可哀想な社員様たち。それをお助けしたくて警察には連絡していなかったのに、私の優しさなど微塵も判ろうとせず、」
「わ、わかった、わかったから!…横領などやっていないが、一時的に会社に金を振り込んでおく…。」
N「あ、それではいけません。」
「は?なぜだ、、、?」
N「横領された金で購入した株ですので、まずは金を交換しないといけないのです。ですので、一旦こちらに振り込んでもらってから、私共の方から横領した金を御社に振り込ませて頂きます。」
「そう、なのか?」
N「えぇ。…株を購入する際は、事前よく知ってからお買い求めください。
5000株で1334万になります。口座番号は…ー。」
「わかった。」
N「出来るだけお早めにお願いします。」
「じゃ、じゃあ今から振り込んでおく。」
N「ありがとうございます。」
ガチャリと乱暴に受話器が置かれた音を確認し、自分も耳元からスマホを離した。
N「はぁ…、バカでよかった。」
やってもいない罪を着せられ、自分が損していることにも気づいてない。
よくあんなのが社長を務められていたな。
口座番号は依頼主の企業の番号だし、後で上に連絡してあの社長を捕まえてもらえば完璧。
もっとお金を搾り取れる。
N「代行サービス完了しました、っと。」
よし、上に電話しないと。
ーーー
この2日後ぐらいかな。
業務上横領罪で、きちんと実名が挙げられて、あの社長は逮捕されていた。
この辺のことは全然分からないので(株だか詐欺だか)、あの〜…スルーしてください汗
色々非現実的なんですけど許してください🙇♀️