「…もっと頼ってよ。俺、子供じゃねーし。」


もっと早く気づけなかった自分が悔しい。


「なんとなく変には思ってたよ。昨日さ、、、ラブホ行っただろ。」


「っ、」


「見たんだよ。潤より背の低い男と一緒に入ってく姿。潤、俺の帰り道を通るから、俺にバレないようにめちゃくちゃ変装してたろ。…そんなんで俺は騙されねーけどさ。」


「…。」


「毎日、そうやって別の男に身体売って。金貰ってたんだ。毎日毎日。休みの日もずっと。」


「、、、、、」


「ハッ…いつからそんな淫 乱になったんだよ。
もうそんなことやめろよ…そんなことしてまで、俺を住まわせようとするなよ。足りねーなら正直にあの家に俺を返せば良かっただろ。」


「それはっ、!」


違う。

本当はこんなこと言いたくない。


だって潤は俺のために、

文字通り身を削って、


「ごめんなさい。」


「いいよ謝らなくて。今更謝ってもなんもなんねーし。
……でもさ、、、」


、、、こんなこと…言っちゃダメだって分かってる。





けど、


「俺じゃ、、、、、、、ダメなの、?」


「、、、、、え、、?…翔、くんが、売…春、?」


「…違う。…俺が、、、俺が、潤を、、、抱 いちゃ、駄目、…なの?」


何言ってんだよ、俺。


俺が潤を抱 いて金を払う?

潤は俺を住まわせるために売 春してたのに、俺が潤に金払ってどうすんだよ。


「何言って…無理に決まってるじゃん。どっちにしろ俺、もう、、、汚れてんだし。」


そうやって目を伏せる潤。


…ちっ、だんだん腹たってきた。


「もう、、なんで売 春なんかするんだよっ、!!!!バカ!!!!!」


喉が潰れるんじゃないか、ってぐらいにデカい声を出して立ち上がり、乱暴に潤をソファーに押し倒した。


「…もう、、、ばか、潤のバカ。」


ポロリと涙が零れ、潤の頬に落ちる。


「、、ハハッ……引いたでしょ?金を稼ぐためならこんなこともするんだ、って。」


「………あぁ、引いた。ドン引きだよ。」


そう低い声で吐き捨てて、無理矢理に唇を押し付けた。


…くっそ、バカみたいにやわらけーじゃん。

潤の唇。


……唇の端をギリリと強く噛んで、押し付けていた唇を離す。

案の定、潤の綺麗な唇の端に血が滲んだ。


「いたい、、、」


「だろうな。噛んだもん。」


ーーー


…あれから、、、何分経ったのだろうか。


ハッと我に返ると、目の前には白いベッドのシーツの海に浮かぶ、身体中無数に紅い華の散った潤の裸の背中。

四つん這いの状態だったのが、腕で体重を支えきれなくて、崩れ落ちたような体勢になっている。


「、、じゅ、ん、?」


俺はというと、ほとんどさっきと何も変わっていなくて。

制服のズボンから自分のが出てるってぐらいだろうか。


「潤、?」


呼び掛けに応じない潤。


…あぁ、1番やってはいけないことをやってしまったんだな。


制服も脱いでないくせに、無理矢理ヤって意識飛ばさせるとか…どんだけだよ、俺。


「ごめん、潤。…俺、、、」


押し寄せる罪悪感の波。

…最っ悪だ。


「、、ん、」


すると潤が小さく身動ぎした気がして、


「しょ、お、くん、」


くるりと顔をこちらに向けた。


「ごめん!じゅん、俺、、、あまりにも酷過ぎた。」


「……………いいよ、あんなことしてた俺が悪いんだし。」


「どんだけ…酷く、してた?なんかもう、分かんなくて…覚えてなくて…、マジでごめん。」


そう言うと潤が小さく下唇を噛み、俯いた。