A「じゃあさぁ、、、2等分しちゃえばいいんじゃない?」


M「……は、」


A「2等分。松潤を、俺としょーちゃんの2人で頂いちゃえばいいじゃん。」


S「頂くって?」


A「えっ、そこ?……まぁ、分かるでしょ?」


意味ありげに視線を宙にさまよわせる。


M「いやいやいやいや、ちょっと待ってよ。だから俺は断ってるって言ってるのに、」


S「…悪くないな。」


M「悪いでしょ。」


S「一妻多夫制か、、、」


A「そゆこと!ね、名案でしょ!」


S「…まぁ。」


M「名案じゃないってば、」


…酒を飲ませなければ良かったと今更ながらに後悔する。


完全に酔っ払ってる。


酒を飲ませなければ、まだちゃんとした話し合いが出来たかもしれない、、、


でも、入った酒がすぐに抜ける方法…それはない。


A「ね、、、いいよね?」


相葉くんの目が妖しく光る。

あれ、、、やばいかも。


M「待って、まさか、」


A「…じゃあさ、2等分が嫌ならこうしてみようよ。まだ告白の答えを出す前に俺らとちゅーして、上手かった方と付き合う。ほら、これなら1人に絞れるでしょ?」


M「いや、だから俺は断って、」


S「いいじゃん、それ。」


A「でしょ〜!やっぱ俺、今日冴えてるかも。」


1人掛けのソファーに座っていた俺の元に、2人が立ち上がって歩いて来た。


嬉しそうに笑っている相葉くんと、ニヤリと片方の口角をあげている翔さんに見下ろされ、目が合う。


S「どっちから?」


A「どうする?潔くジャンケンしとく?」


S「よし。
最初はグー!ジャンケン、」


M「……。」


S「ポン!」
A「ポン!」


目の前で子供じみたジャンケンを繰り広げられ、思わず呆れてしまう。

なんなんだ、この2人。


あ、、、勝ったのは、


S「よっしゃ。じゃ、俺が最初ね。」


翔さんでした。


A「しょーちゃんの後かぁ。…酒臭くしないでね。」


S「何言ってんだよ。」


A「で、俺どうすればいいの?ガン見?」


S「さぁ?松潤なら見られてる方が興奮するんじゃねーの?」


A「じゃあ見とくわ。」


ツッコみたいところはいくつもあったけど、俺の入る余地はなく、、、


…相葉くんのその一言を最後に、バッと部屋の雰囲気が変わった気がする。

翔さんの目つきがあっという間に変わり、ドキリとしてしまう。


こちらを見つめられ、目を逸らそうにも逸らせない。


A「…いいじゃん。」


横にいる相葉くんが感心したようにして言った。


…この人達とキスしたら、必ず答えを出さなければならない……。

じゃあ、なんとしてもキスは出来ない。


でも、もう翔さんの顔は目の前に、、、


片手で顎を掴まれ、上を向かされる。

体を屈めた翔さんが優しく微笑んだのが見え、その瞳に吸い込まれそうになった。


M「っん、」


…いつも見ていた、あの厚ぼったい翔さんの唇が押し当てられている。

そう考えるだけで、体中の力が抜けていく気がした。


優しく下唇を食まれた後、満を持したかのように舌が侵入してこようとする。


これだけは許してはならない、そう必死に口を結んで堪えていたが、


S「あーーーー!!!!!やばい勃 ちそう!
…もー、こんなの見てたら我慢出来ないんだけどー!」


あひゃひゃ!と声をあげて笑った相葉くんが、片耳の耳たぶにパクリと甘く歯を立てた。


M「ーーっ、!」


耳がめっぽう弱い俺、思わず結んでいた唇を緩めてしまった。