…さっき2人同時に告られたものだから、いつもは何も意識していなかった2人を、どうしても視界の端に捉え、追ってしまう。


2人の引き締まった上裸……いや、何考えて…。


ただのメンバーじゃん。

でも…今じゃ"ただのメンバー"から、違う関係に変わりかけてきているのは否めない。


…ちょっと、、、、、、、無心になろう。


2人が視界に入らないように、顔を背けて俺も着替えを始めた。


ーーー


そのあとは今回のリハで分かった修正点を確認、改善の打ち合わせをして、解散となった。


帰る準備をしながら、相葉くんに「またあとで話そ?」って言われたのをぼんやりと思い出す。

あ、、、でも、忘れているフリをして、逃げるように帰れば、、、、、、


よし、今丁度相葉くんはトイレ行ったし…。

もしかしたら捕まる可能性のある翔さんは、早々に帰ったから、今なら2人に捕まることなく…。


M「じゃ、おつかれー。」


まだ帰る準備をしていたニノと大野さんに声を掛けてから、ほとんど走っているような状態で廊下を進む。


エレベーターに乗って、ほんの少し歩いて曲がったら駐車場。

頭の中でここの地図を思い浮かべながら、エレベーターに乗り込んだ。


チーンという音と共にエレベーターのドアが開いて…少し歩く(走る)。


ここを曲がれば駐車場…。


M「…よしっ。」


目の前に広がる駐車場を見て安堵した。

逃げ切れた。


……はずだったんだけど…、


S「随分急いでるね。」


M「              っ、!!!」


……あぁ…なんで気づかなかったんだろう。

コンクリートの柱に寄りかかる翔さんの姿に。


M「、、、なんで?帰ったんじゃ、、、、、」


S「別に。で、もう決めたよね?」


グイ、と腕を掴まれる。

俺、相葉くんから逃げてたんだけどな…。


M「決めてないし。…言ったでしょ。決められないって。決められる訳ないじゃん。」


S「…いつまで待たせるつもり?」


M「っ、だから、」


A「……あっ、いた!」


軽快な足音と共に、こちらに駆け寄ってくる相葉くん。

もう…相葉くんにもバレた 、、、


A「松潤逃げようとしたでしょ!あとで話そ、って言ったよね。」


S「…はっ?何1人でコソコソ…、」


A「コソコソ?翔ちゃんも同じじゃん。ここで待ち伏せしてたんでしょ。」


M「ちょっと、、、ここじゃ目立つから、!」


ここは地下駐車場。

まず、誰が来てもおかしくないし、そんなに声を張り上げたら、反響して余計聞こえやすくなっちゃう。


…かと言って、2人ともこのまま大人しく帰ってくれる気配もない。


M「…2人とも今日車?」


A「タクシー。」


S「俺も。」


A「…タクシーなのに待ち伏せしてたの?」


S「るせー…別にいいだろ。」


M「じゃあ、、、ちょっと、うちで話し合おう。もう夜遅いし、このあとどうせみんな予定ないでしょ?」


苦肉の策だ。

俺だって、こんなことしたくない。


でも…2人が、、、


S「どうせ…って、ちょっと不服。ま、、、ないけど。」


A「俺もないけど…松潤ち行けるのかぁ…んふふ、やったー。松潤ち美術館みたいだから、面白いんだよなぁ。」


M「やったー、、、って、、、、、車、こっちだから、乗って。」


こうして、仕方なーく俺んちに向かうことになった。


あ…。

乗り込む前に、2人でどっちが助手席に乗るか揉めてたから、無理矢理2人とも後部座席に押し込んでおいた。