A「着いたーーー!」
横浜駅を出るなり、相葉が開口一番にそう叫んだ。
N「バカ!目立つ!」
二宮ことニノが、小声でも怒りは最大限に込めて注意するも、たくさんの人からの視線を感じる。
S「もう遅せぇよ…。」
呆れたように櫻井が言った。
A「…とりあえずお昼ご飯食べに行こう!」
確かにもう時計の針は12を回っている。
お腹も空く頃だ。
M「どこに食べに行くの?」
実質予定は全て相葉に任せているから、俺らはどこに行くのか、どこのホテルに泊まるのかすら知らない。
それを知った櫻井はちょっとキレてたけど。
予定をビッチリ入れないと、あいつは気に入らないらしい。
行き当たりばったりってのが嫌いなんだな。
A「ふふん。潤ちゃんよくぞ聞いてくれたなぁ。」
M「え?ああ…。」
A「ズバリ!中華街に行くぜっ!」
M「…へぇ。」
A「どうだ!びっくりしただろう!」
N「どういうキャラ…。」
A「横浜駅から大体8分ってGoogle先生が言ってるから、歩いて行こう!」
N「えぇ、また歩くんですか…。」
S「じゃあ、タクシー…、」
A「ダメっ!ほら、行くよ!」
ーーー
A「はい!ここでっす!」
ふと足を止めて相葉が言った。
どこにでもあるような、この辺では珍しくない外見の店。
M「普通だな。」
A「ムッ!普通って言わないでよ。俺の親戚がやってるところなんだから。」
S「そーなんだ。」
A「親戚には予め伝えてあるから、何でも食べていいよ!」
N「お、タダですか?」
A「いや、タダはダメって言われた。」
M「なんだ、そうなのか。」
A「なんだって…。潤ちゃんと翔ちゃんなんて、お金ぐらいたくさん持ってるでしょ。」
ぶつぶつと文句を言いながらも、店の中へと案内してくれた。
ーーー
こういうお店にはあまり来たことないから、何を頼めばいいのか分からない。
とりあえず北京ダック?
中華と言えば北京ダックだよな。
相葉は何でもかんでも頼んでるから、参考にならないし。
かと言ってニノは全然頼んでないから、こちらも参考にならない。
櫻井はまだ悩んでる様子…。
なんか櫻井のこと見てたら時間かかりそうだから、俺は早々に北京ダックを注文した。
お、櫻井も決まったっぽい。
S「北京ダック1つで…、」
なんだ結局一緒かよ。
ーーー
相葉の食べる量には驚いたものの、お店の人は相葉の親戚っていうこともあって、雰囲気は相葉っぽい←
なんか明るい感じ。
ーーー
S「で、次はどこに行くの?」
店を出て駅に向かっている時に、櫻井が言った。
A「次は鎌倉かなぁ…。」
N「かなぁ…って。あなたに任せてるんだから、あなたがしっかりしてくれないと困るんですよ。」
M「同じく。」
A「ホテルは横浜だから、今から鎌倉行ったら帰ってくるの結構遅くなるんだよね。」
N「えぇー。私は早くホテルに行きたいです。ゲームしたい。」
S「いや、今もしてるだろ。」
櫻井の言う通り、ニノはスマホ片手に歩いている。
言わば、歩きスマホだ。
A「けど、1泊2日だから、もうホテル行ったら全然楽しめないけど。勿体なくない?」
N「そうですか?」
M「俺はどっちでもいい。」
S「俺はアウトドア派だから、歩き回ってた方が楽しいけど。任せるよ。」
A「えぇ、みんな丸投げじゃん。…翔ちゃん生徒会長でしょ!決めてよ!」
S「なんで俺なんだよ。予定決めたのお前だろ?」
A「んーじゃあ、ちょっとこの辺で時間潰してからホテルに向かおうか。流石に今からホテル行くのは勿体ないよね。」
S「了解。」
A「じゃ、どこ行く?なんか食べたいものとかある?」
M「また食べんの?」
N「もうお腹いっぱいですけど。あなたの胃袋は、まだ食べ物を欲してるんですか?」
A「うーん…あ、俺いちご飴食べたい!食べに行こう!」
S「構わないけど…。来る途中にそう言えばあったな。」
A「お、マジ!?じゃ、行こう!」
…相葉が一番楽しんでんじゃん。