「……………嵐、か、、、」
何よりも愛おしい言葉が口をつく。
いつの間にか頭痛は和らいでいた。
「潤、、」
また翔さんが俺の名前を呼ぶ。今度ははっきりと俺の耳に届いた。
ゆっくりと目を開ければ、心配そうに俺を取り囲む大好きなメンバーが4人。俺は思わずみんなをひとまとめにぎゅっと抱きしめた。
「えっ、」
強い風で冷えきった体温をひしひしと感じる。潮の匂いに交じって、翔さんからは嗅ぎ慣れたボディソープの匂いがした。
「ちょ、松潤、?」
「どした?」
「急にまた、、、」
「ううん。。ちょっと、、、、、」
自分が記憶を取り戻したらよく分かる。こんなにすごいことがあるんだ。
今世でもこんな傍に居てくれるなんて、本当に本当に運命じゃないか。
その奇跡をじいっと噛み締めていた。
「思い出したよ。」
ぽつんと呟いたその言葉は、強い風に揉み消されることなく4人の耳に届いたらしい。
そっと腕を解けば、みんな驚いたような表情をさせていた。ニノだけは、安心したように穏やかな微笑みを見せていたけれど。
「え、え、、ほんと、に、、、?」
「うん。」
相葉くんの目がどんどん涙で潤っていく。
「良かった、、」
「これで、みんな、、?ってことだよね?」
「世界線が変わっても嵐は健在だね。」
「お、いいこと言うなあ。」
「なにも残っていなくても、嵐は俺ら自身の胸に残っているってこと!」
「そうだね。」
俺はこの時のみんな表情を、もう二度と忘れることはないだろう。
「翔さんって、」
俺が記憶を取り戻してから数日が経った。俺に記憶が戻ったからといって、別になにかが変わる訳でもなく、ただ毎日は静かに過ぎていく。
「ん?」
「俺のこと、そんなに好きだったんだね。」
「ん、、?!」
いつものように翔さんの家で夕飯を食べて、その後課題に取り組んでいた。なんとなく集中力が切れてきて、家でもパソコンを開いて作業をしている翔さんに話しかけてみる。
「だって、前世の俺のことを今でも好きだから今世では1度も恋人を作らなかったんでしょう?」
ぼんやりと思い出すのは中学の頃の思い出。翔さんに恋人はいるのかと問うた時の答え。
「…まぁ、、」
掘り返された過去のことに、翔さんは恥ずかしそうにこめかみをかいた。
…今なら分かる。翔さんがどれほど自分のことを好きだったのかを。俺のことが好きだから1度も恋人を作らなかったし、俺のことが好きだからギリギリまで今世の俺と付き合うか渋ったし、俺のことが好きだから、、、ってちょっと自惚れすぎ?でも全部事実なんだよね。
「…前世の俺と今世の俺、どっちが好きなの。」
「えっ?」
我ながら随分翔さんを困らせる質問だなと思った。
「え、っと…えぇ?そんなの、、、まだ決められないよ。」
ただ、翔さんから返ってきたのは予想外の言葉だった。
「どういうこと?」
「だって潤はまだ16?17?その辺だろ?前世と今世で付き合っている時間があまりにも違いすぎる。それを比べるのは難しいな。」
「ふーん。
ま、、今世の俺の圧勝じゃない?前世の俺の記憶があるから、今の時点で翔さんのことはもう知り尽くしてるんだよ。」
「ははっ、確かにな。」
いい意味でも悪い意味でも翔さんは、、俺ら5人はなにも変わっていない。
ずっと一緒なんて永遠という名の嘘が、今世で本当になった。
願わくば、来世でも一緒、、なんて。
そうそう、翔さんが可哀想だから…みんな同じ年齢か、極力差が出ないようにね。
「でも、、、また愛してくれて、ありがとう。」
終
若干のFive風味、、🙏