小さい夢 | 猛獣珍の恋愛小説

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第二十二章 小さい夢


長谷川のアドバイスは心に留めとく程度で

俺は、約束の日に彼女の学校近くの駅に

向かった。まだ、彼女は来ては無かった

早く着いてもうたかな〜。多分もう終わる頃

だろし、待つ事にした。

5分ぐらい待っただろうか? 向こうから

自転車で来る彼女が見えた。

「お待たせ〜。待ったんじゃない?」

「今来たとこだから、全然」

「よかった〜。で、どうしようか?」

「そうだねー。そういやー、何も考えて
 なかったw。何かある?」

「取り敢えず、そこのスタバで考えようよ
 慌てて来たから喉かわいちゃったw」

「じゃぁ、行こっか」

彼女と2人で、スタバに入り、飲みものを
買って、席に着いた。

最初は、お互い照れ臭くて、無言の時間
が少しあったが、あっという間に話は
止まらないくらい、お互いのことを、
喋りまくってた。これから、何するかなんて
どうでもよくなってたw。

彼女は、中学からテニスを始めて、今も
続けている。好きな歌手は、ワンオクらしい。
咲ちゃん加奈ちゃん絵里ちゃんとは、高校の
テニス部で一緒になって意気投合したらしい
2つ上のお兄さんが居て、仲は良いらしい。
お父さんお母さんが、大好きで、将来の
自分が結婚したときの理想の夫婦らしい。
など色々、知ることが出来た。

俺が知ってる彼女は、真面目で、誰にでも
優しく、頑張り屋。普段は、大人しい清楚な
子のイメージ。今も、全く変わってなく、
可愛い。

俺も色々喋ったが、何喋ったか覚えてない
くらい、喋ってたw。彼女は、笑って聞いて
いてくれた。

2時間くらいたった。外は、薄暗くなりかけて
外は、仕事帰りのサラリーマンが大勢いた。

静奈「そろそろ出る?」

俺 「結構いたね、いこうか」

静奈「結局、何するか決まらなかったね」

俺 「ほんと、俺、喋りだしたら、止まらなく
   なっちゃうから、ごめんね」

静奈「中学のとき、こんなに喋ったこと
   なかったのにね。」

俺 「一年と三年同じクラスやったの
   覚えてる? 俺めっちゃ嬉しくてさぁ
   神様に感謝したの思い出したわ」

静奈「覚えてるよ。一年の最初の席替えの時
   隣だったんだよね」

その通りだった。それがキッカケとなったん
だから、俺はしっかり覚えてた。

静奈「そこの公園まで歩こうか」

俺 「おう、行こうか」

静奈は、自転車を押して歩き出した。

俺 「ちょっと自転車かして?」

静奈「えっ!」

俺 「俺が漕ぐから後ろ乗りなよ。」

静奈「エッ、いいよー。重いし」

俺 「そこまでだから大丈夫だって。
   彼女出来たら、やってみたかったんだ
   お願い!」

自転車を半ば強引に奪った

彼女は、少し恥ずかしそうだったが、後ろに
座った

俺「行くよ!」 自転車を進めた

彼女の手が自然と俺の腰あたりにあった
俺の制服を掴む彼女の手は、物凄く力が
入っているのがわかった

足の捻挫のことは、完全に忘れてた
風を切って走る自転車は、最高の気分に
してくれた。この時間が永遠に続くことを
祈った・・・・
10分くらい走った頃、ライトアップ
された公園に着いた。抜群に雰囲気のいい
公園に着いた途端、何故か、急に緊張して
来た。

公園に、何組かのカップルらしき人達が
ベンチに居たからだ

俺「あそこのベンチに座る?」

静奈「うん」

ドキドキ💓が、彼女に伝わりそうで
どうしようもなかった

静奈「たくさん人居るね。普段気にしないで
   通るから、びっくり」

彼女も恥ずかしそうにうつむき加減に言った

さっきまで、強きになれた自分がどこかに
行ってしまっていた。あんなに喋ることも
平気になってたのに。何も言葉が、
出てこない

静奈もうつむいたまま黙ってた

男がリードしなきゃ!と思うほど、頭が
真っ白になって、言葉が出ない!

静奈「2人乗り何か男の子とした事なかった
   から・・・・」
俺 「あっごめん。怖かった?」

静奈「私こそ、制服思いっきり掴んじゃって
   グシャグシャになってない?」

俺 「大丈夫だって。俺のさ、一度やって
   みたくて」

静奈「私も、実は、夢だったんだぁ」

俺 「うそっ!そうなん。良かったー。
   ちょっと、恥ずかしかったから」

静奈「・・・・・・・・」

俺 「・・・・・・・・」

会話が続かないが、焦ることはなかった

彼女とのこの時間が、幸せに感じ、
会話がなくても、無言の時間が出来ても
最高に楽しかったからだ