お笑い芸人二人。奇想の天才である一方で人間味溢れる神谷、彼を師と慕う後輩徳永。笑いの真髄について議論しながら、それぞれの道を歩んでいる。神谷は徳永に「俺の伝記を書け」と命令した。彼らの人生はどう変転していくのか。人間存在の根本を見つめた真摯な筆致が感動を呼ぶ!「文學界」を史上初の大増刷に導いた話題作。
内容「BOOK」データベース
お笑い芸人ピースのボケ担当・又吉 直樹。 ピースの知名度が高まってきた時には読書好きの間では又吉 直樹は無類の読書家である事は知られていた・・・現在書店で、又吉の帯が付いた書籍は売れるといわれる“又吉現象”が発生している事も皆さんお気付きのことでしょう。 そんな本好きの又吉が自ら描いた作品は読書家ならば興味を持つ事間違いなし!
人気タレント本!?
タレントが本を出す事は今や珍しい事ではない、作品で世に売るのではなく、人物がありきで本を売るという手法が文芸界にあるのは事実だ・・・今作品が悲しい事に、そういった分野の作品と同等の目線で捉えられる事があるのはとても悲しい事である。 が、そうではないとだけ断言しておこう。
数々の文学賞ノミネート
「タレントが純文学で雑誌掲載」という触れ込みで注目を浴びただけでも凄いのに、三島由紀夫賞に芥川賞ノミネートまで達成するのだから、もはや作家デビューとしては順風満帆な船出といえる。 しかし世の中の目線は甘くはない・・・今や書籍関連の世界では数々の賞レースが出版社側の売り出す為の戦略としか認識されていない場合も多く、ノミネートに受賞だけでは生き残りが確実視される訳ではない。等と、賞レースそのものに否定的な目線を持つ読者も多い。 なのでノミネートや受賞は作品の箔付け程度のものと思うべし!(でも凄い作品ばかりなのですけどね、どの賞レース作品も)
純粋に面白いか?
面白い!と断言できる。 流石は読書の虫というべきか、面白いぐらいに色々な言葉を使って物事を表現している、最初はもっとストレートに書く事が出来ないのか?難しく格好をつけているだけではないか?と感じたのだが・・・これが、又吉 直樹という作家の個性なのだと読み進めると気が付いてくるから不思議である。 独特の言い回しや表現方法を持ちつつ、共感され分かり易い文章を書ける、これは才能だろう。
また、芸人の物語という自らの土俵を題材にしているのが素晴らしい、作家は空想を描くものだと言われているが・・・虚実を織り交ぜる為に自らが知るフィールドに持込んでいるのはグッド!お笑い芸人の世界を内から眺める者だからこそ書ける内情が強烈なインパクトを残している!
表現者 伝える事
人に想いを伝える事の難しさが見事に表現されている作品、お笑い芸人として作家として表現者として苦悩した人ならではの葛藤が滲み出ているといって良い!主人公が天才と崇め尊敬する芸人先輩の不器用なまでのお笑い芸人としての生き様を是非目の当たりにして色々と読者は思い馳せて頂きたい。
最後に、多くの読者が言っている事ですが・・・お笑い芸人の世界という自分のフィールドから出た又吉 直樹の小説が読んでみたいものですね、自分の知らない世界をどう表現しどう描くのか、作家としての真価も問われる今後作に期待が高まっている。
