『瓶詰の地獄』 夢野 久作 | ほんとなかよし

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極楽鳥が舞い、ヤシやパイナップルが生い繁る、南国の離れ小島。だが、海難事故により流れ着いた可愛らしい二人の兄妹が、この楽園で、世にも戦慄すべき地獄に出会ったとは誰が想像したであろう。それは、今となっては、彼らが海に流した三つの瓶に納められていたこの紙片からしかうかがい知ることは出来ない…(『瓶詰の地獄』)。読者を幻魔境へと誘う夢野久作の世界。「死後の恋」など表題作他6編を収録。


内容「BOOK」データベースより


夢野 久作は、日本探偵小説三大奇書の1つ「ドグラ・マグラ」をはじめ怪奇性と幻想性のある作品が特徴で、主に独白体形式と書簡体形式の二つの手法を用いている。 本書で収録の「支那米の袋」は、事件の真相や経緯を一人の人間が語る独白体形式、「瓶詰の地獄」は3通の書簡をそのまま収録しているような書簡体型式となっている・・・この一冊で両方のスタイルを楽しむ事ができます。


収録短編「瓶詰の地獄」 「人の顔」 「死後の恋」 「支那米の袋」 「鉄鎚(かなづち)」 「一足お先に」 「冗談に殺す」


「瓶詰の地獄」、無人島に流れ着いた幼い兄妹だが、やがて成長し肉欲に目覚めおそらく近親相姦を犯してしまうという物語・・・無垢な精神が肉欲という罪に苛まれ苦しみ狂う姿がなんとも救いようのないホラー感を生み出している。 この作品はエピソードもさることながら、瓶に入った3つの書簡といった形式がとられている事から、それぞれの書簡がどの順番に書かれたものかという解釈が定まっておらず、未だに検証や推理が後を立たないといわれている。 一般的に有力なのは第3→第2→第1の書簡といった順序とみなされる事が多いのだが・・・近親相姦の罪が明確になっているかどうか?また精神的な崩壊の度合などから絶対的に固定できないともいわれている。 多くの人が持論をネットで紹介なさっているので読後に読んでみると面白いかもしれない。


私がイチオシするのは、「鉄槌(かなづち)」。ホントウの悪魔というものはこの世にいるものかいないものか・・・書き出しからなんとも興味をそそるではないか!主人公は叔父を悪魔だと思い続けているが・・・その叔父のもとで特異な能力を発揮しはじめる自分自身の存在にも疑問符が浮かび上がる・・・叔父の妾と驚きのラスト展開は圧巻!事件そのものや悪魔とは何か?を明確にしていない事で読者はより物語の深みに吸い込まれてゆく・・・「瓶詰の地獄」とならび夢野短編の最高傑作と名高い一作である。



瓶詰の地獄 (角川文庫)
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